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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-42
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浮かべる者ではなかったから。


「なぁーんだ、もう知ってるんだ。そうだよ、私が、私たちがこのお遊びを始めたんだよ」
「お遊びだと……! ふざけるなっ! おまえのいう『お遊び』でいったい何人の人が死んだと思っているんだ!?」
「へ……? 何で私がそんなこと気にしなくちゃイケないの? 別に誰が死んだって変わらずに世界は動いているんだよ。……でも、さすがにやり過ぎたって思わないことはないんだけどね」


 千冬が束に噛みつくなか、A-ピットにいた他の面々は驚きと恐怖を感じていた。特に篠ノ之束の妹である篠ノ之箒に顕著に現れている。
 肩の震えが止まらず、自らの両手で体を抱きしめるが、全く効果はなく、むしろ震えは増すばかり。


 束の狂気に当てられたかのように体が動かない一夏。あんな束を見るのは初めてだった。以前、臨海学校の時に対峙したときには、あんな雰囲気ではなかった。こちらを馬鹿にするような、呆れ混じりの同情だった。だが、今はどうだろうか。
 路肩の石ころを見るような、視界に収まっているはずなのにいない者として扱っている。まるでおまえなんかすぐにどうとでもできると言いたげに。


「今日はね、宣戦布告しに来たよ。三日後にIS学園に行く。私たちの決着をつけるために。ちーちゃん、もちろん受けてくれるよね?」
「待て! 決着って何のことだ!」


 ため息をついた。分からないのと言いたげに。そして、唐突に切り出す。


「……ねえ、ち−ちゃん。覚えてる? 私がISを武力で世界に知らしめようとしたときにちーちゃんは止めてくれたよね。でも、私は強行した。その結果が今の世界だよ。ISは道具として使われて、次々とコアは分解されて……。どのコアも私が一つ一つ時間をかけて、精魂込めて作ったのに……。」
「……それは仕方ない。証明の仕方が悪かったんだ」
「そうだよ! 仕方がなかったんだ! あのときの私はそれしか方法が思いつかなくて、結果それが私のコアを苦しめることになった。……私は間違ってたんだよ、ちーちゃん。だから、やり直すんだ」
「……どうやって」
「それが決着につながるんだよ」


 束は笑った。
 それもいつもの誰かを馬鹿にしているようなものではなくて、心からの笑顔を浮かべたのだ。千冬も箒も一夏も見たことのない笑顔を。


「私たちの我儘で始めたからね。終わるときも私たちの勝手だよ。……三日後、亡国機業が保持するIS、全三十二機。全機でIS学園に行くよ。そこですべての決着をつけよう。戦いを望むのは、十二機。だから十二対十二の戦いをしよう。邪魔はさせない。どっちかが死ぬか、負けを認めるまで戦い続けるの」
「殺し合いをするのか……!? そんなこと認められない!」
「別に良いよ、ちーちゃんから認められなくて
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