107話 狂乱
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の戦闘法を編み出したんだなぁ。
・・・・
「人が倒れてる!」
巨大なつららの向こう側、透かし見た向こう側にはなるほどトウカの言う通り倒れた人影が見える。つららの隙間は到底人が通れるものじゃなくて、そして残念なことにトウカがぶん投げてたつららより僕達をはばむつららは大きくて流石のトウカも腕組みして考え込んでいた。
「ちょっと引っこ抜くのは……無理かな」
「そう……」
「叩いて砕くのも考えたけどあの人に当たっちゃうし……」
物理的になんとかできないならほかの道を探すしかない、よね?見た限りどうやったら向こう側に行けるのか検討がつかないんだけど。どうしよう、あの人凍死しちゃいそうで、……もしかしなくてもあの人、グラッドさん、だよね。
そうじゃなくても見殺しにするわけにはいかないけど、するわけないけど。ますますするわけにはいかなくて。
「あっ……」
考え込んでいたらポケットが当然もぞもぞし始めて。慌ててポケットのトーポを見れば既に脱出してて、止める間もなく走っていっちゃった。
「トーポ、大丈夫かなぁ……」
「あんな小さい体だと凍えちゃうよね、なんで今わざわざ」
ともかく僕らはトーポ不在で何が出来るわけでもなく、そこで帰ってくるのを待つ事しか出来なかった。その間にも刻一刻と目の前の人は寒さに蝕まれていく訳だし、早く打開策を考えなきゃ、いけないのに。
バキッ!
「ん?」
聞きなれた音がその時僕達の耳に飛び込んできた。つららが折れて降る時の音、だ。間髪いれずにドーン!とつららが地面に突き刺さる音も聞こえて。
「トーポが動いたからつららが落ちたのかな?」
「今までみたいにつららの上を歩けばあいつのところに行けるかもしれないぜ」
なるほど。トーポってそれが分かってて飛び出したのかなぁ。前々から賢いとは思ってたけど、この状況で分かるってどれぐらいの知能なんだろう。文字を教えたら話できないかな……。ちょっと話してみたいかも。
「あ、通れるよ!」
ぱたぱたと走っていったトウカがいち早くその人のところに向かう。僕達も追わないと。みんなは先にそっちに行き、僕は帰ってきたトーポを手に乗せた。
「ちゅ!」
「お帰り。お手柄だよ、ありがとうね」
あとで辛口チーズをあげよう。トーポもこれじゃあ寒いだろうし。トーポはヌーク草入りのスープを飲んだわけじゃないから今まで寒かったよね。……うわ、気付けなかった。持ち歩いているトロデーンから持ってきたバンダナでせめて包んでポケットに入れると、僕も駆け出した。
幸いにもグラッドさんを助ける事は間に合って。……ヌーク草って生なら火ふき芸できるんだね。
・・・・
「何こいつら?!」
「ダークウルフ
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