第26話『魔術VS.蹴球』
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流そうと試みた。だが異変はその直後・・・
ピカーッ!!
「眩しっ!!?」
突然ボールが破裂し、光を放ったのだ。いわゆる“閃光弾”である。
光を直視した晴登は慌てて目を塞いだ。
「これで何度目だよ!!」
「それはご愁傷さまだな!」
晴登はある出来事を思い出しながらそう叫ぶ中、大地は新たな一発を彼に放っていた。
*
「絶体絶命…」
壁へともたれ掛かり、絶望を感じながら緋翼は呟く。
目の前には仮面さんが近づいてきていた。
「(魔術使っちゃう? いやそれでも、コイツには勝てないかも…)」
まだ一切闘ってもいないのに、緋翼は弱気になって考えていた。あまりの恐怖に思考回路がショートしたという感じである。
「……」
「ひっ!?」
仮面さんが徐に細い鉄パイプをマントから取り出してきたため、緋翼の驚きがピークに達する。
しかし「ここで気絶しては負け」だと、彼女は自分に言い聞かせて姿勢を崩さなかった。
「だったら…」
「……!?」
そこで緋翼は自身の魔術の一部である“刀”を生成する。
まさか武器が出てくるとは思わなかったのか、仮面さんは少し驚いた素振りを見せた。
「(焔を出さなきゃ大丈夫。ただこれ真剣なのよね…)」
緋翼は自分の造り出した刀を見てそう言った。真剣、ということは下手すればスパッと斬れてしまうのである。
彼女は「安全第一」と心で呟いた。
*
「えいっ!やぁっ!とぅ!」
ビート板をブンブンと振り回す莉奈と対照的に、伸太郎はそれを全て見切って避けている。
かれこれ5分程この状況が続いているのだが、一向に終わる気配が無かった。
「ほらほら? 避けてばっかじゃ終わらないよ?」
「元気な奴だな」
「元気なのが私の取り柄だもん」
なんて生き生きしてるんだと心の中で思いながら、魔術を放つタイミングを計る伸太郎。なるべく目立たないようにしたい。
だが数秒後、思わぬ出来事が起きた。
「はぁ…タイム。ちょっと疲れた」
「…馬鹿め」
戦闘中にも関わらず、莉奈はタイムをかけて休もうとしたのだ。
無論それを逃がすはずもなく、伸太郎は莉奈を追い詰めるように攻撃を仕掛けた。
「喰らえっ!!」
「うわっ眩し!!」
まずはお馴染みの目くらまし。莉奈は両目を抑え、うずくまった。
「今だ!」
それをチャンスと考え、伸太郎はポケットから拘束テープを取り出す。そしてそれで、莉奈の腕を結ぼうとした。
すると・・・
「な〜んて、隙あり!」
「がっ…
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