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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―HERO―
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 しかし、十代のフィールドには十代のマイフェイバリットヒーロー、フレイム・ウイングマンがいるが、エドのフィールドには何もない。頼みの綱のダイヤモンドガイも、フレイム・ウイングマンに破壊されてしまったが……

「僕は前のターンのダイヤモンドガイの効果を発動!」

 前のターンの効果だと……?
前のターンにダイヤモンドガイが使った効果と言えば、通常魔法カードを墓地に送ったことだが……まさか。

「墓地に送った通常魔法は未来に飛ばされ、運命を確定させていた! 《ミスフォーチュン》を発動!」

 デッキトップが通常魔法だった場合、次のターンに発動する『運命』が確定する効果……!
発動に成功させれば、無条件で最低でもアドバンテージが一枚であり、まさしく運命を操るヒーローの効果。

 ……そして、ミスフォーチュンの効果は……

「ミスフォーチュンによって、フレイム・ウイングマンの攻撃力の半分のダメージを与える! ……言ったはずだ、このデュエルの運命は僕の勝利で決定していると」

 ダイヤモンドガイを出した時から、この状況になることが分かっていたのか……!?
そのことに戦慄する暇もなく、十代を、マイフェイバリットヒーローの攻撃力の半分のダメージが襲った……!

「うわああああっ!」

十代LP100→0


 十代も《ヒーロー・ソウル》などといったご都合展開はなく……そもそも十代にはリバースカードが無く……デュエルは、エドの予言通りに決着した。
十代は力が抜けたように、膝を地につけた。

「やはりこんなものか……黒崎遊矢。次はおそらくお前の番だ。せいぜい、簡単には負けないようにするんだな」

 そう言って、エドはまたも港の方へ立ち去っていった。

 ……次はおそらく俺。
勝てるのか、十代をも倒した、あの運命を操るヒーローに……

「……じゃなく、大丈夫か十代!」

 デュエルが終わって脱力した親友に手を貸し、なんとか立たせる。

「いやー負けちまったぜ! 惜しいところまで……っつうか、ライフポイントを0にしたのになぁ」

 見た目より充分元気そうで、いくらかホッとする。
そしたら今度は、何故だかキョロキョロと回りを見回し始めた。

「どうした?」

「いや……相棒がいないんだ。いつもは横にいるんだけどよ」

 相棒……というと、ハネクリボーの精霊のことか。
姿はぼんやりとしか見たことはないが、前に話を聞いたことがある。

「……何言ってんだ、すぐ横にいるぞ?」

 目をゴシゴシと擦ると、なんとかぼんやりと見えるようになった。
……しかし俺が場所を教えても、十代はハネクリボーを探す動作を続ける。

「まさか十代、精霊が……」

 見えなくなったのか、と続ける前に
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