もしもルゼルが生まれていたら3
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たのだれだっけ。
そうそう、あれ結局家ではトウカがお姫様抱っこしたよね?人目につかなくてよかったよね。ルゼルが吐血寸前まで笑ってたけど。主治医に怒られつつヒィヒィ言ってた義兄を持つククールには同情する。世間では繊細なる天才扱いされてるルゼルが結構妹絡みだとロクデナシなこととか。
「じゃあ、俺の事は?」
「大好き!」
「……あれ犯罪じゃないの?」
「夫婦だから……」
旅が終わっても相変わらず童顔なトウカは大人っぽいドレスを着ていなきゃ成人には見えない。それが今甘い色のドレスを着ているものだから子供にしか見えない。髪の毛を結んでいる大きなリボンも原因だよね。
で、ククールは今日はムカつくほどイケメンで、赤い服が良く似合う男。あれだ、色男。うん、ヒカルゲンジってやつじゃないの。見た目には。見た目は。対等に見えて敷かれてるようでククールが優勢でやっぱり相思相愛だけど。
「ククールがもっと腕相撲強くなったらもっと大好きかなぁ……特訓する?」
「今日は勘弁な」
「えへへーーそうだよね!今日は剣の手合わせだもんねぇ!」
「そうだな、確か……」
うーん、平和だな。こういう時は見せつけなくていいのに見せつけてくるククールが戦闘狂に甘い予定を崩されてるのは最高かもしれない。
「バイキルトなしスカラあり攻撃魔法厳禁の手合わせだよ、ククールくん」
「よ、よくご存知で」
「そりゃあ義弟の予定ぐらいこの俺が把握してないわけないよねぇ。ねぇトウカおいで」
「はい兄上!」
いつもは今までの苦労を思ってこれ止めないけど、ルゼルはあまりにも容赦なかった。これはここでやったククールが悪い。ぴょんとトウカはククールの膝から飛び降りてルゼルの前にやってくる。ククールの手が虚しく空を切る。自業自得だよ、シスコンの前でやるんだから。
「いーこだね、トウカ。今日も勝てる?」
「えへへ兄上、ありがとう。無敗の剣士だもの勝てるよ!」
ルゼル、煽ってトウカの頭をお兄ちゃん特権で撫でないの。
あと目と鼻の先に対戦相手がいる時にそういうことは言わない方がいいんじゃないかな……。
ちなみにククールは負けた。トウカから一本とったのは意地だったんだろうけど、それで怪我してたら意味ない気もする……。今日も炸裂したベホマは絶好調だった。
「で、甥か姪は?」
「えっと……」
「……まぁいいや。大事にしてくれたら」
・・・・
「ご飯にする?お風呂にする?そ、れ、と、も、手合わせにする?」
「……ご飯で、トウカ。いつも思うんだが何か違うんだ……」
「あ、そう?じゃあご飯ね。明日から選択肢はご飯か手合わせかちゅーにする?」
「是非」
一緒に帰ってきたくせに毎回のセリフ。楽しそうなトウカに以前
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