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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#8
SILVER CHARIOTV 〜Fatally Flame〜
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のまにか両脇に構えていた彼の両手から神門(アーチ)状の炎が、
否、より高度にその属性(カタチ)を変貌させたモノが、
濁流の如く噴き挙がり、流動交換をするようにそれぞれの対手の裡へと呑み込まれていく。
 ソレと同時に、少女の身に変化が起こった。
 正確にはその膝下まで届く、灼熱の緋で彩られた長く美しい “炎髪” に。
 通常紅蓮の色彩を携え、周囲に無数の火の粉を際限なく撒き散らせるその髪は、
今はソノ全体、一本の例外もなく灼蓮の光に包まれ、
辛うじて色彩こそ判別出来るものの、余りにも(まばゆ) 過ぎて直視ままならない。
 その神々足る御姿。
 まさに、現世に光臨した女神に相剋。
 凄まじい、と呼ぶには余りにも聖麗な、
紅世の王 “天壌の劫火”その存在の片鱗。
 真正の “炎髪” の顕現。
「む……うぅ……! こ、コレはッ!?」
 想像を絶する、その視る者スベテを執心させずにはいられない、
神異極まる光景を呆気に取られて見つめる一同を後目に、
アラストールはそのまま無言で、己の両手を左右対称の形で組み合わせる。
 人間の関節可動区域を完全に無視して構成された、
さながら(あぎと) を開く竜神を想わせる印を結びながら、
ソレと同時に周囲へ湧き熾る紅蓮の炎、否、灼紅の光。
 火炎の属性(カタチ)を超え、“閃熱(せんねつ)” と化した莫大な量の存在の力が、
アラストールの全身に集束していく。
 ソレに合わせてその発動の証で在る彼の “炎髪” は、
通常の物理法則を無視して大きく空間へと捲き騰がる。
 そして到来する、神絶なる王の喚声。
「幕だ!! 白銀の騎士よッッ!!」
「――ッ!」 
 その声に、天雷のような轟きに、脅威に縛られていたかのように立ち尽くしていた
スタンド使いは我を取り戻す。
 そし、て。
「まだだ!! まだ終わらんッッ!! 我が “大命” 果たすまで!!!!」
 最早戦いの決着はついたと心の奥底では受容していても、
その更に深奥から湧き出る追憶が、己が諦念を赦さなかった。




“お兄ちゃん”




「!!」
 青年の、J・P・ポルナレフの脳裡で甦る、一人の華麗なる少女の姿。
 護りたかった者。
 護れなかった者。
 穏やかな光の中、緩やかな風の中、
花々の中を駆ける、在りし日の彼女の姿。
 どれだけの時を経たとしても、決して色褪せるコトのない、
永遠の、追憶。
「う、ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォ
ォォォォォォォォォォォォォ―――――――――――!!!!!!!!!!!!」
 敵わないとは解っていても、それでも彼女の為に最後の最後まで全霊を尽くすと
誓った一人の誇り高きスタンド使いは、背後の騎士
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