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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#8
SILVER CHARIOTV 〜Fatally Flame〜
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5つの火柱を瞬く間に掻き消す。
 その様子に釘付けになった4者の視線を余所に、
白銀のスタンド全身を隈無く覆っていた甲冑は、
その両腕部、脚部、胸部、頸椎部、そして頭部と
結合器具を振り飛ばしながら次々と着脱していき、
己を灼く炎と熱とを巻き込んだままソレを一挙に空間へと放散する。
「な、なんだ!? ヤツのスタンドがバラバラに分解していくぞ!」
 驚愕の声を上げるジョセフを後目に、
スタンドはその姿を消し、代わりにその 「本体」 が
大きく空間へと飛び上がる。
「まさかな……」
 復活した騎士を鋭い視線で睨め付けるアラストールの脇で、
「とんでもねぇヤローだな……」
無頼の貴公子が静かにそう漏らす。
「……」
 自分を見上げる4者の、その遙か上空で青い瞳を開いた銀髪の 『スタンド使い』 は
仰向けの姿勢のまま仰け反るような体勢でこちらを向き、そして、
「Bravo―――――ッッ!! オオ!! Bravo――――――ッッッッ!!!!」
母国の言葉で衒いなくアラストールに称賛を贈る。 
「こ……こいつはッ!?」
「アレほどの炎の直撃を受けたにも関わらずピンピンしている!!
それにしても、一体何故ヤツの躯が浮くんだ!?」
 驚愕に瞳を見開くジョセフと花京院を余所に、
「感覚の眼で見よ」
「スタンドだ……」
承太郎とアラストールが同時に口を開いた。
「!!」
「!?」 
 空中で腕を交差する男のすぐ下で、
半透明のスタンドの幻 象(ヴィジョン)が長身の肉体と苦もなく支えていた。
「フッ……!」
 スタンドの両腕により一度大きく空中に跳ね上げられた青年は、
そのまま鮮やかな旋転運動を繰り返して勢いを消費し、
靴の踵を鳴らして軽やかに着地する。
 そしてその銀髪の 『スタンド使い』 J・P・ポルナレフは、
両腕を背後で交差させる独特の立ち姿を執りながら
再び空間の歪むような音と共に己がスタンドを出現させる。
 先刻のモノとは一線を画した、新たなるスタンドの幻 象(ヴィジョン)を。
 ソレ、は。
 全身至る部分の甲冑が着脱され、剥き出しの生身を晒す騎士の姿。
 見ようによってはイカれた狂科学者の創り上げた
殺 戮 機 械(キリング・マシーン)の様にも視えるが、
全身から発せられる鮮烈な威圧感は明らかに先刻のモノよりも鋭い。
 その瞬時に変 形(トランスフォーム)したスタンドの全貌が、
精悍なるスタンド使いの口唇から語られる。
「甲冑を外したスタンド!! 『銀 の 戦 車(シルバー・チャリオッツ)ッッ!!』 」
 再び白銀の細剣(サーベル)の切っ先を尖鋭に構えながら、
ポルナレフは己を地に伏せた相手、少女の姿をした紅世の王、
アラストールを瞠目する。
「……」
 
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