機動戦艦ナデシコ
1422話
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てるのか?
「か、か、か、神楽坂さん!」
「はい?」
「その……自分は……いえ、俺は神楽坂さんの事を一目見た時から心を奪われました!」
「……え?」
まさに直球と呼ぶのが相応しい言葉だったが、それを聞いた神楽坂はようやく今行われた戦いに自分が関係していると理解したのだろう。唖然とした様子で高杉から視線を外し、俺の方へと視線を向けてくる。
「ですが、神楽坂さんにはもう決まった相手がいる以上、俺がいつまでも貴方を想っていても女々しいだけだと理解しました。ですから……俺は、今日限り神楽坂さんをそういう目で見ないようにします!」
一度言い淀めば、もうそれ以上は言えないと……そう判断しているのか、高杉は一気にそこまで告げる。
だが、その言葉は神楽坂にとっては全くの不意打ちだったのだろう。
え? といった様子で高杉の方へと視線を向け……やがて誰の事を言っているのかを理解したのか、俺の方へと視線を向けてくる。
頬が真っ赤に染まっている様子は、間違いなく怒りなのだろう。もしかして若干の照れが入っている可能性も否定は仕切れないが。
「ちょっ! 私は別にアクセルとそんな関係なんかじゃ……」
「いえ、誤魔化さないで下さい。傍目から見てもお似合いの2人です。最初から俺が入り込むような隙間はない程に仲睦まじい様子なのは知っていました。ですが……いえ、だからこそ、こうしてアクセル代表との戦いを契機に、神楽坂さんの事を諦めたいと思います! 一時の夢でしたが、神楽坂さんの事を想っていた日々は幸せでした!」
そう告げ、走り去って行く高杉。
秋山はそんな高杉を見送ると、苦笑を浮かべてその後を追う。
「……ちょっと、アクセル。どういう事よ。私とあんたが付き合ってるって……」
頬を真っ赤にしながら、それでいて俺と視線を合わせずにそう告げてくる神楽坂と、どこかジト目を俺に向けてくるエリナという、色々と奇妙な状況に俺はどうするべきか迷うのだった。
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