暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(碧篇)
外伝〜白隼(リベール)の決断〜
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げ、カシウス准将は目を細めて二人を見つめ、さらにアリシア女王達の背後に控えている数人の王室親衛隊員達は顔を見合わせて混乱していた。

「―――ちなみにこれが我らメンフィル帝国が貴国に毎月贈与する予定の税の額と詳細だ。拝見するといい。」

さらにシルヴァン皇帝は書類を出して、アリシア女王の目の前に置き

「――拝見いたします。………なっ!?」

書類の内容を確認し終えたアリシア女王は目を見開き

「そ、そんな………!?この額だけでもリベールの民達が王国に毎月納めている税の約10……い、いえ20倍は軽く超えていますよ………!?」

「そ、それでもメンフィルにとっては約1%だなんて……!」

「………道理で我が国を含めた他国に援助する余裕がある訳ですな………」

クローディア姫は信じられない表情で声を上げ、ユリア准佐は驚き、カシウス准将は疲れた表情で溜息を吐いた。



「――――国境に他国の軍隊……しかも同盟を結んでいる国の軍隊を通すだけで貴国の領地や民が増える上長期間メンフィルより多額のお金を受け取れ、国家予算に組み込めるのです。貴国にとってこんな素晴らしいお話、今後一切ないかと思われますが?」

クローディア姫達が驚いている中、ルイーネは微笑みながら尋ねてシルヴァン皇帝と共にアリシア女王を見つめた。

「…………………………………わかりました。すぐに手配致します。」

シルヴァン皇帝とルイーネに見つめられたアリシア女王はしばらくの間黙って考え込んだ後重々しい口調で答え

「お祖母様!?」

「陛下!?」

「……………」

アリシア女王の答えを聞いたクローディア姫とユリア准佐は声を上げ、カシウス准将は目を伏せて黙り込んでいた。

「――――感謝する。では近日中に正式な契約書を用意し、またこちらに参上する。」

「ご英断、お見事ですわ。さすがは”賢王”と名高いアリシア女王陛下ですわ。―――それでは私もこの後”クロスベル帝国を建国する為”に再び帰国しなければいけませんので失礼いたします。フフ、次は恐らくクロスベル皇帝ギュランドロス・ヴァスガンの妃として”もう一人のクロスベル皇帝”ヴァイスハイト・ツェリンダーの妃共々皆様の前に姿を現すと思いますわ。」

一方シルヴァン皇帝とルイーネはそれぞれアリシア女王達に言った後その場から去ろうとしたが

「―――ああそうだ。言い忘れていたが………既に遊撃士協会も今回の件は承知済みで、介入はしないという契約と後は暗君ディーターに従う将――――アリオス・マクレインのA級正遊撃士資格の剥奪も完了している。なので”百日戦役”のように彼らに仲裁してもらう考えは持たない方がいいと思うぞ。」

何かを思い出したシルヴァン皇帝は振り向いてアリシア女王達に言
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