6章〜反撃の狼煙〜 外伝〜偽りの楽土の崩壊〜前篇
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準備を終えたロイド達はタングラム丘陵にあるブースター地点に向かった。
〜タングラム丘陵・無線ブースター地点上空〜
「――――カメラの準備はOK!音声テストもバッチリです!」
「こちらもブースターの真上に来た。いつでも始められるぞ。」
ブリッジ内にいるフランとアッバスはそれぞれ報告し
「オッケーオッケー。議長、よろしいですね?」
グレイスは頷いた後マクダエル議長に尋ね
「ああ、始めてくれたまえ。」
艦長席に座っているマクダエル議長は頷いた。
「へへ、そんじゃあ始めるぜ。――――無線ブースターのより、導力ネットへのハッキング開始。」
そしてヨナは端末を操作し始めた。
「よっしゃ!通信機能を掌握したぜ!」
端末の操作を終えたヨナは口元に笑みを浮かべて報告し
「カメラ、切り替えます!」
「ええ、いいわよ!」
フランが端末を操作すると、グレイスの顔が画面端末に映った。
「―――皆さん、こんにちは。クロスベル通信社所属、グレイス・リン報道記者です。念のため言っておきますとクロスベル通信社は今回の件にまったく関知しておりません。わたくしの独断による報道ですのであしからずご了承ください。………さて、早速ですが、ある方を紹介したいと思います。”クロスベル自治州”代表、ヘンリー・マクダエル議長閣下です!」
グレイスが高々と言うと、画面端末にはマクダエル議長が映った。
「―――クロスベルの市民諸君、及びこの映像をご覧になっている全ての方々に申し上げる。”クロスベル自治州議会”議長、ヘンリー・マクダエルであります。」
マクダエル議長が話し始めたその頃、市内にあるさまざまな画面端末にマクダエル議長の姿が映り、その事に気付いた市民達は次々と集まって画面に注目した。
〜クロスベル市内〜
「皆さんもご存知の通り―――先日、前クロイス市長により『クロスベル独立国』の創立が宣言されました。国防軍という軍事組織も設立され、新たな体制に慣れつつある人もいるかとは思いますが………
――――ですが皆さん!今一度、考えて頂きたいのです!果たして我々は、この事態を真に”選択”したかということを!
―――無論、現状についての是非は人それぞれあるでしょう!ですが現政府は、真に民主的な手続きによっては成立していません!
自治州議員の多くが拘束され、私自身、監禁された状態で、クロスベルの独立は宣言されました!
この宣言が、議会の承認を経ずに個人の独断で行われたものである事は改めて指摘しておきたいと思います。
―――ならば独立の意志を問う、住民投票が根拠となるでしょうか?いいえ、かの住民投票
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