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SECOND
第一部
第三章
第二十六話『ありがとう』
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戻してへたり込みたいのを耐えて、辛うじて反論した。
ほむら「でも私は、まどかを魔法少女にしない為にワルプルギスの夜と戦っていたのよ。まどかの方が強くなった後なら、あいつが現れなければまどかは魔法少女にはならなくなっていた筈よ。」
亮  「それは違うな、ほむら。まどかが魔法少女になるのは絶対的運命であって、お前の介在なんて余地は全く無かったんだよ。考えてもみろよ、まどかは初めお前より先に魔法少女になっていただろ。その時点でもうお前の力ではまどかの魔法少女化を止める事は不可能なんだ。せいぜいそのタイミングをちょっとずらすくらいが関の山なのさ。認めたくなくとも、お前のその経験がそうはさせまいさ。」
 ほむら反論出来なかった。
亮  「そしてまどかが姉さんより強くなってしまった後は、この星を滅ぼしてしまう強力な魔女の発生を防ぐ為に、已むを得ず姉さんは世界を守るべくまどかに戦いを挑んでいたのだよ。」
ほむら「でも…でも…」
 亮は苦悩するほむらを見て、余裕を取り戻し落ち着いて来た。
亮  「それにしてもお前たち魔法少女ってのは残忍だよな。もう人に危害を加えないように必死になって自分を抑え込み、深い穴の中でひっそりと堪えていた姉さんの残滓を、わざわざ集団で殺しに来るんだからね。」
ほむら「あなただってこの世界では長く生きられないまどかを、わざわざ呼び出させて苦しめたんじゃないの?」
亮  「ああ、あれねえ。それは知ってたんだ。確かに陽子にまどかをこの世界に転現するように言ったのは僕だよ。でも最終的にそうしたのは陽子の判断だよ。僕は頼みはしたけど強要はしていないからね。それにそうしたのだって僕の優しさからした事なんだよ。よりマイルドな方法で前の宇宙に戻そうと思ったからだし、大体この事で僕は君に感謝こそされても恨まれる事はないんだけどね。」
ほむら「あんな思いをさせられて、あなたに感謝なんかする訳ないでしょ!人の心を弄んで!」
亮  「ははは…君は知らないんだね。いいかい、今の君にはね、前の宇宙を殺した宇宙一個分の呪いが掛かっていて、絶対に神となったまどかには再会出来ないんだよ。」
ほむら「えっ…」
亮  「だからこの心優しい僕が、ついでではあるけれども、せめてまがい物のまどかと再会させてあげたって訳さ。いやあ、まさしくこれぞ神の慈悲ってやつかな。あははは…。」
ほむら「う、嘘よ…そんなの…」
亮  「嘘じゃないさ。僕はねぇ、嘘は吐けないんだよ、ほむら。だって僕は神様なのだからね。」
 驚愕し言葉に詰まるほむらの代わりに、業を煮やした冴子が吠えた。
冴子 「さっきから黙って聞いてりゃいい気になって。大体あんたが神様だって証拠がどこにあんのよ!神って言うなら今すぐここで、奇跡の一つでも起こしてみやがれってんだよ!」
亮  「いいだろう。では
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