第一部
第三章
第二十四話『トロピック見滝原』
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、行ってるね。」
残されたほむらはため息を一つ吐いてから、おもむろに着替え始めた。
ほむらがプールにやって来ると、それを見つけた冴子がほむらを呼んだ。
冴子 「おーい、ほむらー。こっちこっちー。」
手招きする冴子の許へほむらが行くと、冴子はほむらの水着姿をしげしげと見詰めた。
冴子 「いやぁさすが、都会の子は違うわ〜。」
ほむら「何がよ?」
冴子 「そんなセクシーな水着、あっさり着こなしちゃうなんて大人よね〜。」
ほむら「えっ?」
そう言われてほむらは改めて自分の水着を見てみた。黒のワンピースのそれはまどかに選んで貰ったものなので何の疑いも無く着たのだが、確かに鼠蹊部の角度がやや鋭く脇腹に切れ目が入っていてセクシー感があった。
ほむらがふと辺りを見回すと、同い年ぐらいの男子達が指を差してこっちを見ていた。ほむらは急に恥ずかしくなって手で体を隠すようにした。
ほむら「…私帰る。」
顔を赤らめたほむらが踵を返して帰ろうとすると、冴子は飛び付くようにしてがっちりとほむらを捕まえ引き留めた。
冴子 「まあまあまあまあ。ほむら、いいじゃないの。哀れな田舎男子に眼福の一つくらいくれてやってよ。」
ほむら「でも…」
冴子 「哀れな私にもさ、一つくらい良い思い出作らしてよ。」
ほむら「ちょっと冴子、変な事言わないでよ。」
冴子 「変な事じゃないよ。」
冴子は改まった。
冴子 「私はこの町に囚われているもの、ここから離れられない。この町で生き、この町で果てるの。でもあなたは違うでしょ…」
冴子は何か問いただしているような、挑戦的眼差しでほむらを見て来た。ほむらは一度髪を手で梳いてから、不敵な笑みを浮かべて答えた。
ほむら「ええ、そうね。そういう約束だったわね。」
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