第一部
第三章
第二十四話『トロピック見滝原』
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し…」
詠 「いやー、お子ちゃまビキニとティーンのビキニじゃ違うでしょ。」
翠は急に恥ずかしくなって手で水着を隠すようにした。
翠 「…私帰る。」
顔を赤らめた翠が踵を返して帰ろうとすると、三人は手を伸ばしてがっちりと捕まえ周りを囲んで引き留めた。
三人 「まあまあまあまあ…」
詠 「よいではないか、よいではないか。」
直 「今更それは無いでしょ。」
詩織 「大丈夫、浮いてないから。凄く似合ってるよ、ホント。」
翠は諦め、そのまま楽しむことにした。
翠がウォータースライダーの上から他の三人に手を振っていると、それに応えて手を振り返しながら妙ににやけ顔の詠が何気に告白をした。
詠 「いやー私ってさあ、翠って結構タイプなのよね。」
ふと詠が詩織と直の方に目を移すと、二人はまるで怯えたように寄り添い詠を避けるように距離を取って彼女を見ていた。
詠 「ちっ違うの、そういう意味じゃないのよ。誤解しないで。」
ウォータースライダーを滑り終えた翠が寄って来る。
翠 「どうかしたんですか?」
詠 「うんうん、何でもないの。」
翠 「?」
お昼になると四人はそのままスイミングコートを羽織り、施設内のレストランのオープンラウンジで食事を取った。
みんなで食事をしていると、翠は以前に陽子達の為にマミに連れられて買い物をしに行き、その時レストランで一緒に食事をした事を独り思い出して感傷に浸っていた。そして翠はマミに倣おうと思った。
翠 「ここの代金は私に持たせて下さい。」
詩織 「いいわよ、翠。そんな気を利かせなくっても。」
詠 「そうよ、みんな楽しんでいるのだから。直もそうでしょ。」
直 「ええ、問題ありませんけど…」
翠はそれを聞いて破顔した。
翠 「フフフ…私が幾ら貰っているか知っていますか?」
そう言って翠はテーブルの上に身を乗り出した。すると他の三人もつられるように身を乗り出した。テーブルの中央で翠はひそひそと金額を発表した。
三人 「ええっ!そんなに…」
翠 「それで、どういたしますか?」
三人 「御馳走様でした!」
翠 「どういたしまして。」
?
その日曜日、冴子に連れられてほむらはその市民プールへとやって来た。その外観は大きな体育館のようでかなり年季が入っている感じだった。
二人は学生証を提示して中に入った。「女子」と赤のマジックで書かれた矢印に従い進んで行くと、女子更衣室と張り紙された扉に辿り着いた。扉を開けて中に入ると、申し訳程度にカーテンが掛けられた薄暗いロッカールームのような部屋だった。
やや自失気味のほむらをよそに冴子はとっとと着替え始めた。そして着替え終わった冴子はほむらを置いてさっさと行ってしまった。
冴子 「先
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