第一部
第三章
第二十四話『トロピック見滝原』
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。ところで…」
翠 「ところでみなさん、あそこの施設内は基本水着なんですよ。みんなは水着持ってる?勿論学校のじゃないやつ。」
詠は言葉を盗られ呆気にとられていた。
翠 「私はもう持っているの…だから持っていない人は用意しておいてね。」
詠は苦笑いをしながら仕方なく締めた。
詠 「えーと…じゃあ、そういう事で、みんな宜しく…」
?
ほむら「温水プール?」
冴子 「そっ、それがこの町唯一の娯楽施設なのよ。」
学校の昼休み、冴子がほむらを屋上に呼び出していた。
冴子 「この町って港町で海に面してるじゃない。でも海水温も低くって、とてもじゃないけど海で泳ぐ気になんてならないから、せめてプールで泳げるようにってそれを作ったのよ。ちょっと間抜けよね。」
冴子は紙パックの牛乳をズーズーと音を立てて飲み干した。
冴子 「まっ屋根も付いてるし、あれなら一年中入れるからいいっちゃいいけど、まあすぐに飽きるわよねぇ。」
ほむら「あなたは飽きていないの?」
なんだか待ってましたとばかりに冴子は答えた。
冴子 「ふふ〜ん。ねえほむら、いつでも出来るって思っている事って、つい先延ばしにしてしまって案外やらずじまいって事、よくなぁい?」
ほむら「…まあ、あるかもね。」
冴子 「でしょ。私、まさしくこれがそうなのよ。まあそのうち気が向いたらなんて思ってたらさ、なんだかんだで行きそびれちゃってさ、だからほむらと行きたいなぁ〜って思ったんだ。」
冴子は下から覗き込むようにほむらを見て返答を待った。ほむらはため息を一つ吐いてから答えた。
ほむら「…ええ、私は構わないわ。」
冴子 「やったぁ。へへ、楽しみ。」
?
その日曜日、見滝原の四人は真新しい建屋のトロピック見滝原の前に集まっていた。
受付を済ませて入場するとすぐに、目に痛いまでの蛍光色で彩られた内装が一行を出迎えた。「Lady」と表示された壁の向こうに回り込むと、オートロックの個室が並んだ着替え場になっていた。
詠 「じゃあ、各自着替えたらプールの方に行って、そっちでまた集まりましょ。」
三人 「は〜い。」
プールサイドで翠を三人が待っていると、少し遅れて翠がやって来た。
翠 「すみませ〜ん、遅れちゃって。」
だが三人はそんな事より翠の水着に驚いていた。
詠 「うわーっ翠、結構大胆ねぇ。」
直 「ホント凄い…」
詩織 「確かにここには来てみたいって言っていたけど、あなたがそこまで気合を入れていたとはちょっと意外だわ〜。」
その三人の反応に翠は戸惑い、他の三人と自分とを見比べた。他の三人が黒か紺系の競泳タイプのワンピースなのに対して翠のは真っ白なビキニだった。
翠 「だって私、ちっちゃい頃の水着もビキニだった
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