第一部
第三章
第二十三話『遺譲』
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時の事なんだけどね…」
翠 「あの夢の話の時ですか?」
詠 「うん。あっ、二人はマミさんで言っても分からないかな。ごめんね。」
詩織 「それって巴マミさんの事ですよね。」
詠 「ええ、そうそう。さすが、詩織は見滝原の子ね。」
詩織 「いえ、翠から聞いていましたから。ただ巴先輩って成績学年トップだったりした人で、こっちじゃちょっとした有名人でもありましたからね。」
詠 「やっぱりそういう人だったんだ…」
ここで詠に茶目っ気が出た。
詠 「何てーかさ…マミさんってかなりモテてたんじゃないの?」
詩織 「さあ、その辺の事は…でもモテたっていう話なら暁美先輩の方かなぁ。サッカー部の坂本先輩を振ったって話が噂されてたくらいだから…」
詠 「えっ、その坂本ってあのサッカーの?見滝原の坂本を!?」
詩織 「まあ、あくまで噂ですけどね…」
翠 「それは…」
翠は言うべき事ではないと思いつつも、つい口を滑らせた。
翠 「本当の事です。」
詩織 「なんでそんなこと翠が知ってるの?暁美先輩から直接聞いたとか?」
翠 「見たから…」
詩織 「はっ?」
翠 「その瞬間を直接見たから知っているの…」
詩織 「…」
詠 「…」
翠 「詩織、あの日覚えてる?体育館の横で陽子がご飯を食べてる所にあなたと幸恵がちょっかい出してさ、ほむらさんにたしなめられた事あったでしょ。」
詩織 「ええ…」
翠 「そもそもあそこにほむらさんが来たのって坂本先輩に呼び出されてたからなんだよね。それであの後もっと裏の方でさ、その…告白されててさ…そこで坂本先輩のこと振ってたんだよね。」
詩織 「…」
詠 「…」
翠 「言っとくけど、私達も見ようと思って見た訳じゃないからね。成り行きでたまたま目撃しちゃっただけだからね。」
詠 「へーっ、ほむらってやるのね。」
詩織 「って言うか翠、凄いとこ見てたのね、あなたって。」
翠 「まあ、そうね…」
直は疎外感を覚えた。
詠 「えーっと、ちょっと脱線しちゃったわね、話を戻すわ。それで、まず私が魔法少女になった理由を言うとね…実は私、ある殺人事件に係わってしまったの。私の所為でって言うのは正直自分でも受け容れ難いのだけれど、それでも妻子持ちの男の人が一人死んでしまっているのよ。しかもその人の奥さんって妊娠中らしくって、他の子供もまだ小さいらしくって…だから私、その人の家族の事を思うと…私…何て言うか…」
翠 「詠さん、その話は以前にも少し聞きましたけど、もし私の為になら無理して話されなくてもいいですよ。魔法少女になった経緯は人それぞれですから。」
詠 「そう、ありがとう。それでね、その話をマミさんにした時にね、マミさん自分の昔話をしてくれたの。ちょっと長いんだけどみ
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