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SECOND
第一部
第三章
第二十二話『100%の100万と1%の1億』
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だから直、あなたはこう思えばいいわ、一つの選択肢を得たってね。」
 そして詠は何気無く続けた。
詠  「それでね直、取り敢えず私達は友達になりましょう。それはいいでしょ?」
 それを聞いて直が照れ気味に頷いている時、翠は唖然とした気持ちになっていた。これはかつて自分がほむらとマミに相対した時と、立場こそ違えど全く同じシチュエーションだったからだ。翠はかつてのほむらの思慮を思い知ると同時に、このような事が永遠と続けられそして続いて行く事を思い知った。

  ?

 詩織が自室でくつろいでいた。何気無くお気に入りのオルゴールを手にした時、何とも言えない違和感を持った。
詩織 「あれ、これって一体…」
 詩織はこのオルゴールの出所が思い出せなかった。
詩織 「確か極最近に誕生日のプレゼントとして誰かから貰った筈なんだけど…翠からだったっけ?」
 その時、詩織の脳裏に幾つかのビジョンが駆け巡った。
詩織 「うっ!」
 詩織は頭を抱え倒れ込んでしまった。
 詩織の頭に浮かんだビジョン、幸恵の事や魔獣に襲われた事、それらは詩織を困惑させた。しかし詩織にはオルゴールという現物があった。そして詩織はある確信をした。
 その次の日、学校で詩織は翠に対して妙によそよそしかった。しかし放課後になると、意を決したように翠を人気の無い場所へ連れだった。
翠  「急にどうしたの、詩織。」
詩織 「…翠、幸恵はどこへ行ったの?」
翠  「…何の事だか…」
詩織 「そういえば陽子もいなくなってるよね。あなたはまだあの変な所で巨人と戦っているの?幸恵や陽子がいなくなったのもあれの所為なんでしょ、答えて。」
翠  「…」
 翠は観念した。
翠  「そうだよ、あの巨人は魔獣って言って人類の敵なんだよ。そしてその魔獣と戦っているのが私達魔法少女なの。幸恵も陽子も魔法少女となって魔獣と戦い、そして散って逝ってしまったの。」
詩織 「そんな…じゃあ、あの二人はもう…」
 翠は黙って頷いた。
詩織 「何で私は記憶を失っていたの、どうして幸恵の事を忘れてしまったの、とても大切な事なのに…」
翠  「それはね、普通の人は魔獣に襲われた事やいなくなった魔法少女の事は覚えていられないようになっているからだよ。」
詩織 「何それ…でもそれならなぜ私は急に思い出せたのかしら…」
翠  「それは…」
詩織 「それは?」
翠  「それは多分、あなたにも資格があるから…かな…」
詩織 「資格?何の?」
翠  「それは…」
詩織 「何?何なの?」
 翠は段々後悔して来た。
翠  「何でもないよ。詩織、悪い事は言わないから全てを忘れて普通に生きなよ。」
 だがその物言いで詩織はピンと来てしまう。
詩織 「それって私が魔法少女になる資格って事なのね。
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