第一部
第三章
第二十一話『これはもう使い物にはならない』
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」
翠 「幸恵、やっぱり止めといた方がいいんじゃないのかなぁ…」
幸恵 「あとちょっとなのよ。詩織のプレゼント分が入ったから若干増えちゃったけど、それでもあと少しであのぼろアパートから出れんのよ。翠手伝ってくれるって言ったでしょ!最後までちゃんとやってよ。」
翠 「う、うん…」
三人は魔獣空間へと狩りに繰り出した。
?
取調室では後藤警部補と白石巡査が幸恵の母親の話を聞いていた。
後藤 「それで、その娘さんはお幾つぐらいなのですか?」
幸恵母「今年中学生になったんです。私覚えています、確かに入学式に行きました。」
後藤 「なるほど…」
白石 「お茶、お入れしました。どうぞ。」
幸恵母「はあ、どうも…」
白石が後藤に耳打ちする。
白石 「通っていたという学校も塾も該当者はいませんでした。」
後藤 「そうか…ところでその通っていた学校ってどこかね?」
白石 「見滝原中ですが…」
後藤 「ん?」
後藤は何が違和感を持った。しかしそれがなぜなのかまでは分からなかった。
後藤 「奥さん、何とかその娘さんのお名前だけでも思い出せませんかねえ。」
幸恵母「名前…娘の名前は…」
?
その日の魔獣達の数は随分と多かった。
翠 「幸恵、何だか敵の数が多いよ。今日は早めに切り上げた方がよくない?」
幸恵 「何言ってんのよ。こういう日の方が稼げていいのよ。カースキューブに余裕があれば、私も休めるってもんなのよ。」
そう言って幸恵は敵に向かって行った。
?
取調室のドアがノックされた。
白石 「どうぞ。」
幸恵父「どうも、失礼します。」
とても恐縮そうに幸恵の父が入って来た。
幸恵母「ああ、あなた…」
幸恵父「お前また…どうもすいません。急に妻がいもしない娘がいたと言い出しまして、私もほとほと困っておりまして…」
後藤 「いえ。それよりもご主人、あなたの家には娘さんがいたかもしれない形跡はありませんか?」
幸恵父「いいえ、そんなものは何も…」
後藤 「では、何か変わった点はありませんか?」
幸恵父「と、言いますと?」
後藤 「例えばですが…なぜか不自然に使われていない空き部屋があるとか。」
幸恵父「えっ…そう言われれば、確かに空き部屋はありますが…しかしその部屋は本当に何も無い空き部屋で、とても女の子がいた部屋だとは…」
後藤 「その部屋には本当に何にも無いんですか?」
幸恵父「ええ、本当に。家具も荷物も何もありゃしませんよ。」
後藤 「それって変ですよねえ。」
幸恵父「え?」
後藤 「普通、家の中に生活する上で使っていない空き部屋があったら、そこは物置部屋として何かと物が置かれる筈ですよねえ。なのにその部屋は、まるで内装工事でもす
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