第一部
第三章
第二十一話『これはもう使い物にはならない』
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んでね。将来の貢献値を担保にした融資はしかねるんだよね。」
幸恵 「そこを何とか…」
キュゥべえ「フフフ、それなら今の住まいのままカースキューブを提出し続けて貰わないとね。君に出来るのかい?」
幸恵は俯いて考え、そして言った。
幸恵 「するよ…やってみせるよ…」
?
詩織は孤独を強く感じてた。翠に対して嫉妬の念もあった。突然のように幸恵と翠の距離が縮まり、自分が弾き出された疎外感に苛まれていた。
詩織 「何よ、幸恵ったら急に…」
詩織が憤慨しながら歩いていると、いつの間にか魔獣空間の中へと誘なわれていた。
詩織 「あれ?ここは…」
詩織がキョロキョロと周りを見ていると、魔獣が近付いて来た。詩織は逃げ出さないタイプのようで、魔獣の振り下ろすその拳を唖然としたまま見ているだけだった。
メギド
そんな叫び声を、詩織は聞いた気がした。
ドゴン!
次の瞬間、目の前の魔獣が吹き飛びその破片が詩織に降り掛かった。思わず身を屈めてそれから身を守る詩織。
翠 「幸恵、右!」
幸恵 「わーってるわよ!」
詩織が聞き覚えのある声に目を向けると、そこには翠と幸恵が魔獣達と戦っている光景があった。
詩織がふと気が付くと、泣きそうな顔の幸恵が抱き付いて来た。
幸恵 「ごめんね、詩織。私の所為で魔獣に襲われちゃったんだね…」
訳の分からない詩織は、近くに立っている翠の方をボーっと眺めていた。
幸恵 「じゃあさ、私詩織を家まで連れてくからさ。」
翠 「うん、一人で行ける?」
幸恵 「それくらい出来るよぉ。でもその間手伝えないけどいい?」
翠 「…フッ幸恵、私を誰だと思っているの?」
幸恵 「へへへ、普通なら嫌味だけど今は最高に頼もしいや。じゃあいこ、詩織。」
そして幸恵は詩織を連れ帰って行った。
?
次の日、詩織は普通に登校して来た。彼女は昨夜の魔獣に襲われた事を全く覚えてはいなかった。ただ昨日までのように、露骨に幸恵や翠を避ける事も無くなっていた。
幸恵 「詩織、おはよう。」
詩織 「お、お早う…」
しかし、やはり依然として詩織の二人に対する対応はぎこちなく、不満や不信が色濃く残っていた。
夜になって魔獣狩りの為にいつもの公園に集まる魔法少女の三人。
幸恵 「それじゃあ翠、今日もお願いね。」
翠 「うん、分かった。」
翠はまた幸恵が魔獣をターミネートし易いように魔獣の手足を射抜いて行った。幸恵も次々とハンマーで魔獣にトドメを刺して行く。
その日は少し魔獣の数が多めで、いくらトドメを刺すだけとはいっても幸恵にしてはオーバーワーク気味だった。
ふらつく幸恵に詠が忠告する。
詠 「幸恵、あんまり無理をすると消えちゃうわよ。」
幸恵
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