第一部
第三章
第二十話『魔法少女のお茶会』
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さ…」
翠 「なあに?」
幸恵 「あのさ…あのさ…私もいい生活とかしたいんだ…」
翠 「うん…」
幸恵 「ここまでとは言わないけどさ、前の暮らしぐらいにはさ、したいんでさ…」
翠 「…」
幸恵 「だからさ…」
幸恵は突然、ガバッと翠にひれ伏した。
幸恵 「だからお願い!私がカースキューブ稼ぐの手伝って下さい、お願いしますぅ…」
幸恵はただ単に今の生活苦から逃れたくて言ったのだが、翠は自分が開いたお茶会の効果が出て幸恵がやる気を出したのだと思った。
翠は幸恵の手を持って彼女を起こすと、ニッコリとほほ笑んで言った。
翠 「そう、やっとその気になってくれたのね。勿論手伝わせて貰うよ、幸恵。」
?
次の日の夜、魔獣狩りに行く前に小腹の空いた翠は冷蔵庫を物色してみた。するとその奥にかつてマミが作り置いていたと思しきケーキを見つけた。翠はそれをスンスンと嗅いで確かめ、たぶん大丈夫そうだと判断して食べ始めた。
翠 「これは…レアチーズケーキって…ことよね…」
いつもの公園に翠が向かうと、他の二人がそこで待っていた。
翠 「待った?」
詠 「いえ。」
その時、翠はなんだかお腹が騒がしくなってきたことを感じ始めた。
幸恵 「じゃあ翠、お願いね。」
翠 「うっうん、任せといて。」
そして三人は魔法少女に変身した。すると翠はお腹の違和感が消えたのでホッとした。
魔獣空間の中に入ると、翠は幸恵がトドメを刺し易いように魔獣の手足を射抜いていった。身動きの取れなくなった魔獣に、幸恵のハンマーが容赦なく叩き落される。
詠 「それって、そういう作戦なの?」
翠 「うん、まあそうです。」
詠 「ふ〜ん。何か幸恵だけ得ねぇ。」
翠 「でも、やっと幸恵がやる気を出してくれたから…」
詠 「まあ、そうよね。ところで知っているとは思うけど、魔獣をターミネートすると何か負荷みたいなのが掛かって体が重くなるじゃない。あんなに沢山のターミネートを急にして、幸恵大丈夫なのかなあ。」
翠 「え!ターミネートって負荷が掛かるんですか?知らなかった…」
詠は苦笑気味に言った。
詠 「あなたって…どんだけ規格外なのよ、もう…」
相当数の魔獣を叩き潰した幸恵が二人の許へとやって来た。
幸恵 「ハアハア…結構やったよね、私。」
翠 「幸恵、大丈夫?かなり疲れているみたいだけど…」
幸恵 「ハアハア…だっ大丈夫よ、これくらい…ハアハア…」
幸恵は明らかに息が上がっていた。
詠 「…今日はもうこれで終わりにした方がいいわね。」
翠 「そうですね。幸恵、いいよね。」
幸恵 「うん、まあこれぐらいにしとくわ。」
三人が結界から出ると、息の上がっていた幸恵はすぐに変身を解いた。
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