第一部
第三章
第二十話『魔法少女のお茶会』
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「えーと…三人になっちゃたけどこれかも頑張って行こー、という訳でカンパ〜イ。」
詠 「カンパ〜イ。」
そう言って翠と詠はカップを持ち上げた。二人がそうするようにと幸恵の方を見詰めると、思い出したように幸恵も自分のカップを持ち上げて言う。
幸恵 「乾杯…」
何ともぎこちない幸恵を置いて、翠と詠が話し出す。
詠 「ああそうだ、ごめんなさい。私ったら何か手土産でも持ってくればいいのに、手ぶらで来ちゃったわね。」
翠 「そんなのいいんですよ、急に私がお呼び立てしたんですから。それよりマミさんみたいにお手製ケーキって訳にはいかなくって申し訳ないです。既製品なんでマミさんの物のように心がこもってなくって…」
詠 「えー、何言ってんの。これ裏通りにあるボン・シェフのケーキでしょ。あそこのケーキってたっかいのよねぇー。随分奮発したんじゃないの。」
翠 「ええ、なにせ栄えある私主催のお茶会第一回目ですからねえ。そのくらいはしますよ。」
詠 「でもまあ、翠ならこれくらい楽勝なんでしょうね。それともここの家賃分で、実は少し辛いとか?」
翠 「いやー、まあ…楽勝です。へへ。」
詠 「ふふふっ、そうでしょうね。」
黙々とケーキを食べていた幸恵が口を開いた。
幸恵 「あの、さあ…」
翠 「なあに?」
幸恵 「翠ってどのくらいカースキューブ出してんの…」
翠 「それは、日によるけど…」
詠 「翠は凄いわよお、両手一杯山盛りに出した時なんて、あのキュゥべえが驚いていたもの。たしかブンブン尻尾を振りながら翠以外でこんな事が出来るのはこの星ではゼノビアとフローラぐらいだろう≠ニか言ってたわよね。きっとゼノビアとフローラって外国の魔法少女の事なんでしょうけど。」
翠 「うん、でもあの時って…」
詠 「まあそうなんだけどさあ、その辺り過去は過去って事で…」
幸恵 「あのう…詠…さんは、どのくらいお出しで?」
詠 「私?う〜ん、そりゃ日によるけど。狩りの後なら4,5個は出してるかな…」
幸恵 「そうですか、どうも…」
結局このお茶会での幸恵の会話はそれだけだった。翠と詠はマミの思い出話で一通り盛り上がると満足し、その後、今後の方針を話し合った。やがて詠は帰宅する運びとなった。
詠 「申し訳ないんだけど、私まだ実家だからもう帰らなきゃ。」
翠 「まあ実家だと出るのが大変でしょうけど、一人暮らしは何かと面倒ですよ〜。」
詠 「そう、だけど私もいつかはね…じゃあ、これで御いとましますね。お片付け手伝わなくってごめんなさいね。」
翠 「お構いなく。それじゃあまた明日の狩りの時に。」
詠 「うん、また明日。」
そして詠は帰って行った。
詠がいなくなると幸恵が翠に話し掛けて来た。
幸恵 「翠ぃ、あの
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