第一部
第三章
第二十話『魔法少女のお茶会』
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狩りに出た。
魔獣空間の中は特に変わった事は無かった。三人が入ると、まるで人間の臭いを嗅ぎ付けて寄って来るかのように魔獣達が近付いて来た。それが普通の魔獣空間の中なのだ。
翠と詠が積極的に戦っているのに対して幸恵は殆ど戦おうとせず、やる気が全く無いのが露骨に分かった。
詠 「ちょっと幸恵、何やってんのよ。」
幸恵 「何って?あんたらがピンチにでもなったらちゃんと助けてやるわよ。」
詠 「魔獣をターミネートしないとカースキューブが得られないのよ。あんた新人のくせにノルマ分も殺ろうとしないなんて、いい根性してるわね。後で泣きを見るわよ。」
幸恵 「あーそーですか、そりゃどーも。じゃあ後でしくしく泣かして貰いますんで。」
二人の遣り取りに慌てて翠が飛んで来た。
翠 「二人共、何しているんですか。戦闘中に気を抜いていると、死んでしまうかもしれませんよ。」
幸恵 「翠さあ、こう言っちゃなんだけど、あんたってかなり強いよね。私達要らなくない?こんな普通の敵、あんた一人で充分だよね。今度からさ、翠一人で魔獣狩りやっちゃってよ。何かあった時だけ呼んでくれればいいからさあ、そうしよ。」
さすがにこの意見には翠も呆れてしまい、翠は詠の方を見た。詠も呆れ顔で見返し、結局幸恵を放っといて二人で魔獣を倒した。
狩りが終わり結界から出ると、幸恵はさっさと帰ってしまう。
幸恵 「じゃあ翠、考えといてね。」
幸恵が消えると詠も翠に不満をぶつける。
詠 「あんまり言いたくないんだけど、彼女連れて来たのあなたなんだし、クラスメイトでもあるんだから、もっとはっきり注意して欲しいわ。そりゃこっちにも唯の事とかあったけど、戦わないってちょっと酷過ぎると思うのよね。」
翠 「すみません、詠さん…」
詠 「別にあなたを責めている訳ではないのだけれど…あーあ、マミさんがいた頃は良かったわね。」
詠はそう言って帰って行った。
?
幸恵の実家では幸恵の母が、娘がいなくなったと悩み苦しんでいた。
幸恵母「あなた。娘が、娘がいないの。」
幸恵父「おい、この家に娘なんていなかったろう。しっかりしてくれよ。」
幸恵母「いえ、確かにいたのよ。」
幸恵父「じゃあ名前は何て言うんだい?」
幸恵母「名前は…名前は…」
幸恵父「名前も覚えていない子がいたって言うのかい。よく考えてごらん、娘なんていなかったから名前も思い出せないんだよ。」
幸恵母「いいえ、いたの。私達の大切な娘が…一人…名前は…確か…」
?
ある日、キュゥべえが幸恵の部屋にやって来た。
キュゥべえ「幸恵、君に伝える事がある。」
幸恵 「何ですか、急に…」
キュゥべえ「君はカオスキューブの最低ノルマ分すら提供していないよね、だからこちらからも
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