第一部
第二章
第十九話『この世界を守って』
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あほむらちゃんが私を撃ってよ、その方が私も本望だよ!」
ほむら「そんな事言わないで、まどか。」
まどか「ほむらちゃん覚えているでしょ、前にもこんな事あったでしょ。あの時、ほむらちゃん、私のお願い聞いてくれたじゃない。だから…」
ほむら「止めて!もう私は嫌なの!もう二度とあなたを殺すなんて事したくないの…私があの時どんな思いだったか、あなたには分からないの?」
ほむらは感情的になり涙声になって来た。ヒステリックに叫ぶ。
ほむら「翠!何やってんの、早く弓を下ろしなさいよ!死にたいの!」
だがやはり翠は微動だにせず、まどかに矢を定め続けていた。
まどか「ほむらちゃん、私には分かるの。今私が魔女になっちゃったら、この世界がそこから破けて前の世界みたいになっちゃうの。あんなに苦労して、あんなに苦しんで、せっかく変えた事が全部無駄になっちゃうんだよ。そんなのほむらちゃんだって嫌でしょ、私は堪えられないよ。」
まどかも泣き出してきた。
ほむら「だから…だから私が言ったじゃない、あなたに戦うなって。あなたが私の言う事を聞いてくれていたら、こうはならなかったのよ。」
まどか「うんそうだね、私が悪いよね。私はいつもほむらちゃんを苦しめて追い詰めて…本当にごめんね。私自身ももうそんな自分が嫌になっちゃったよ。私なんかいるからほむらちゃんは…」
ほむら「違うの、違うのよまどか。私はあなたをそんな風に苦しめたり追い詰めたりしたくないの。あーもーあー…翠、取り敢えず弓を下ろして、お願い。」
翠は微動だにしない。
ほむら「怒っているのね翠、この間の事。謝るわ、殴ったりして本当に御免なさい。私どんな償いでもする、ほんとに何でもする。だから一旦弓を下ろして。そしてお願い、一緒に考えて欲しいの、今のこの状況を打開する方法を。」
まどか「無いよほむらちゃん、もう無いんだよ!」
ほむら「そうだ!誰かに、誰かに願って貰おうよ。誰かの魔法少女になる時の願いで、まどかのソウルジェムの輝きを復活させましょう。」
まどか「どうしてそんな事言うの!ほむらちゃん。誰かの大切なお願いを、そんな手前勝手な事に使うなんて酷いよ!そんな事言うほむらちゃんなんて嫌いだよ!」
ほむら「嫌い?あーいーよ、嫌いで結構だよ。あなたを失う事に比べたら嫌われようが憎まれようが私何でも無いよ。だって、だって…だって今までずっとそうして来たんだから!」
ほむらの感情は限界に達し、もうはっきりと泣き出してしまった。まどかは苦しげに搾り出すように言った。
まどか「どっちにしろ、もう時間が無いよ。私は…もう…」
まどかのソウルジェムの輝きは、いよいよ残り一つとなっていた。真っ黒なソウルジェムの中に弱々しい輝きが、時折僅かに見受けられる程度だった。
ほむら「お願い翠、弓を下ろして。お願いしま
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