第一部
第二章
第十九話『この世界を守って』
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「まどかさん、一つお聞きしたい事があるんですけど。」
まどか「何?何でも聞いて。」
翠 「響亮って言うのは何者なんですか?」
まどか「えっ響亮?ごめんなさい、私そんな人知らないのだけど…」
翠 「そうですか…」
翠はまどかが嘘を吐いているとは思えなかったが、その亮とやらが陽子にまどかを呼び出させた事をまどかに話すべきかは迷った。前の世界のまどか、そしてその更に前の世界の亮、この二人に直接的な関係が無いのなら一体どんな理由で亮は陽子にそうさせたのだろうか。
しかし人の都合などお構い無しに時間は過ぎて行く。まどかのソウルジェムの輝きが一つ消え、いよいよ残り二つとなった。
まどか「翠ちゃん、もう時間が無いの。早く私を撃って。そしてこの世界を守って!」
この世界を守って≠ニいう言葉は翠の心に強く響いた。それは翠に自分が魔法少女になる時に願った言葉を思い出させた。
私はこの世界を守る守護者となりたい
そしてまるでそのまどかの言葉に誘なわれるように、翠は覚悟した。この世界の守護者となる事を。この世界を守るという事はただ単に魔獣達と戦うという事ではない事を。その義務には自身の命を懸けるだけではなく、あらゆる忌諱すべき穢れ仕事をしてのけなければならない事を。
翠はもう自分が子供ではいられないのだと悟り、そしてそれを悲しくも思った。
翠 「…分かりました、まどかさん。責任を持って介錯させて頂きます。」
まどか「ありがとう、翠ちゃん。嫌な役を押し付けてごめんね。」
翠 「いえ。それより、ほむらさんに何か言い残して置く事とかはありませんか?」
まどか「うんうん、大丈夫。手紙を置いて来たから、もう…」
翠 「そうですか…では。」
翠はまどかの胸に抱えられたソウルジェムに狙いを定めてゆっくりと弓を引き、満を持した。
ボシャ!
その時、翠の背後で水溜まりに足を落とす音がした。
ほむら「翠、今すぐ弓を下ろして。」
そこには翠に向かって弓を構えている魔法少女になったほむらが立っていた。
まどか「ほむらちゃん!」
ほむら「まどかは黙っていて。さあ翠、早く弓を下ろしなさい。」
ほむらはわざと弓をしならせ音を出し、自分が弓を引いている事を翠に伝えた。しかし翠はまどかに狙いを定めたまま微動だにしなかった。ほむらは更に弓をしならせ言った。
ほむら「今私は、あなたの頭部に狙いを定めて弓を引いています。翠、これは命令です。弓を今すぐ下ろしなさい。」
だがそんなほむらの高圧的な脅迫にも屈する事はなく、翠は無言で弓を構え続けた。
まどか「ほむらちゃん止めて、私が翠ちゃんにお願いしたの!」
ほむら「だからあなたは黙っていて!翠、弓を下ろさないのなら撃ちます。脅しではありませんよ、さあ早く!」
まどか「じゃ
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