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SECOND
第一部
第二章
第十九話『この世界を守って』
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らソウルジェムを胸に抱えたまどかに尋ねた。
翠  「まどかさん…どうしたんですか?」
まどか「ああ、翠ちゃん!良かった…あのね時間が無いの、今すぐ魔法少女になって私のソウルジェムを、あなたの魔法の矢で破壊して欲しいの。お願い!」
 翠は状況を飲み込めず、キュゥべえの方を見た。しかしキュゥべえは何も言わす、少し離れた所にある枠のようになった場所にトコトコと歩いて行ってしまい、雨宿りとばかりにそこに収まってしまった。
翠  「ごめんなさい、まどかさん。よく分からないのだけれど…」
まどか「翠ちゃん、私の持っているソウルジェムを見て。もう殆ど真っ黒でしょ。今三つほど輝きが残っているんだけど、もうすぐこの光も消えてしまうの。そしてこれが全ての輝きを失った時、私は魔女という呪われた存在になってしまうの。だからその前にこれを壊さなければいけないんだけど、普通の力じゃダメだったの。魔法物であるソウルジェムを破壊するには魔法力でないと出来ないの。でももう私は魔法少女になれないの。だからあなたの力で壊して欲しいの、お願い。」
 翠は少考した後に答えた。
翠  「とにかくそのソウルジェムというのを、私の魔法の矢で射抜けばいいんですね。」
まどか「ええ、お願いします。」
 翠は腰の辺りを右手で、まるで埃を払うかのように叩いた。するとそこから光の粒が発し、まるで服に燃え広がるように伝って行った。光の粒が通った後は魔法少女のコスチュームに替わっていた。そして最後に光の粒は左手の先から宙に弓状に走り、翠の魔法具絶弓ゼロディバイディング≠ニなった。
 翠は矢を番えて言った。
翠  「まどかさん、用意出来ましたよ。」
まどか「はい、お願いします。」
 翠は苦笑した。
翠  「はは、まどかさん。このまま撃ったら、まどかさんにまで矢が当たっちゃいますよ。」
まどか「うん、それでいいの。お願い。」
 翠は弓を一旦下ろした。それを見てまどかが言う。
まどか「あのね翠ちゃん。実はね、私の本体はこのソウルジェムの方なの。前の世界の魔法少女はね、魔法少女になる時にこのソウルジェムに魂が乗り移ってね、体の方は死んでしまうの。そしてその死体をジェムの魔力で動かしているの。気持ち悪いよね、だって私はゾンビなんだもの。今まで黙っていてごめんなさい、でもわざわざ言う気にはなれなかったの。許してね。」
翠  「え…」
 翠は困惑した。まどかは続ける。
まどか「更に言うとね、前の世界で私達魔法少女が戦っていた敵が魔女なの。つまりね魔法少女達は自分達の成れの果てと戦わされていたの。もし私が今魔女になってしまったら、そこからこの宇宙が前のそんな宇宙に戻ってしまうかもしれないの。だからお願い、そんな事にならないように私を撃って。」
 翠の胸に陽子のあの言葉がまた浮かび出る。

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