第一部
第二章
第十九話『この世界を守って』
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力を使い切ってしまい君も魔女とやらになってしまうんだろうね。正しく二律背反とはこの状況の事だね、フフフ。」
まどかは正気の無い顔をして立ち竦み、茫然自失だった。
キュゥべえ「ああそうそう。僕の見立てでは、そのソウルジェムは体から離れた状態だとより多くの魔力を消費してしまうようだよ。まあ、より離れた所に魔力を飛ばす方がよりエネルギーを使うってのは道理に適っているからね。もし君が少しでも長くそのソウルジェムの魔力を保たせたいのなら、胸の辺りにくっつけておく事をお勧めするよ。」
そう言われて、まどかは慌てて自分のソウルジェムを胸に抱いて押し当てた。
まどか「キュゥべえ!もし今ここで私が魔女になってしまったら、この宇宙の因果律が壊れて前の宇宙に戻ってしまうかもしれないのよ。魔法少女達の夢や希望が、悲しみや絶望で終わってしまうあの世界に!」
キュゥべえは尻尾をくるりと回して、にこやかに答えた。
キュゥべえ「鹿目まどか、それは僕達インキュベーターにとって困る事なのかい?」
まどか「なっ…」
まどかの目から悔し涙が溢れだした。まどかは自分を責めた。
まどか「バカバカ!私のバカ!」
ソウルジェムの輝きがギリギリになるまでこの世界に留まってしまった自分を責めた。
その時、何者かの濡れた地面を踏む音がした。
キュゥべえ「んっ?」
それは翠だった。
?
ほむらは雨の街の中を当ても無く彷徨っていた。ずぶ濡れになりながら時折まどかの名を呼ぶその姿は、哀れで異様だった。
詠 「ちょっと、ほむらじゃないの。一体どうしたってのよ?」
そこに詠が現れほむらに声を掛けて来た。ほむらは詠に虚ろな目を向けると、ポツリと言った。
ほむら「まどかが…」
詠 「えっまどか?まどかならさっき見かけたけど…」
その言葉に弾かれるようにほむらは反応し、詠の両肩をワッシと掴んだ。
ほむら「どこ!どこなの!まどかをどこで見たの!」
そのあまりの形相に詠はすっかり引いてしまったが、それでもなんとか答えた。
詠 「ええとね…さっき翠と一緒に入ったお店でね、まどかが通りの向こうを歩いているのを見かけたのよ。そしたらね、それを見た翠が何だか様子が変だって言って、まどかの後を追って行ったけど、何かあったの?」
だが詠の質問には答えず、ほむらは尚も迫った。
ほむら「その店ってどこ!まどかはどっちの方へ行ったの!」
詠は肩をガクガクと揺さ振られてすっかり気圧され、上手く答えられなかった。
詠 「あああ、あっちの方にあるファストフード店で、ままま、まどかは町外れの方に向かってたようよ。」
ほむら「ありがと!」
それだけ聞くと、ほむらは詠の指差す方へと物凄い勢いで走り去って行った。
?
翠は、泣きなが
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