第一部
第二章
第十九話『この世界を守って』
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「私が、ですか…。でも結局、私がいても多くの犠牲が出てしまいました。それはマミさんの買い被りというものですよね。」
詠 「そうかな、でも私はマミさんの意見に賛成なんだよね。翠はさあ、やっぱり他のみんなとは一線を画している感じなんだよね。今まではさあ、なんだかんだでまだ翠も不慣れな新人だった訳じゃない。いろいろイレギュラーな事もあったし。そりゃまあ、これからもイレギュラーな事は起こるだろうけどさ。でもこれから、これからよ翠。私達でマミさんの夢見た理想的なチームを作りましょうよ。どお?悪くない提案だと思うんだけど。」
翠 「勿論、それが出来るに越した事は無いのでしょうけど…具体的に何をすればいいのか…」
詠 「翠、まず自覚をして。あなた自身の力を、あなたは強者だってことを。あなたは特別な魔法少女なのだから。」
翠 「詠さん、だからそれは買い被りというもので…」
詠 「いいえ、まずあなたのその自覚が必要なことなのよ、翠。」
翠 「…」
二人が話をしていると、店の前の通りの向こうをまどかが歩いて行くのを翠が発見した。そのまどかは何か思い詰めたように見え、それが気になった翠は詠に別れを告げてまどかを追う事にした。
空は徐々に雲が厚くなり、遂にはぽつぽつと雨が降り出して来た。
?
ほむらは帰宅すると、まどかの靴が無いのにすぐ気が付いた。
ほむら「買い物…かな。」
ほむらが部屋の中へ進むと、テーブルの上に置かれた封筒を見つけた。「暁美ほむら様へ」と書かれたその封筒から中の手紙を取り出すと、ほむらはそれを読んだ。
親愛なる暁美ほむら様へ、
このような形でお別れを告げるのは、大変心苦しく申し訳なく思います。ですがどうかご理解して頂ける事を、切にお願い申し上げます。
御存じとは思いますが、私の本体はソウルジェムであり、その魔力によって骸となった体を動かしています。その為、日々の生活の中でもソウルジェムの魔力は使用され続け、一方的に消耗して行くばかりでした。しかも元々この世界の住人ではない私はより激しく魔力を消費するようで、あまりこの世界に居続けられない事は早い段階で判っておりました。そこでどうせ長くないのなら少しでもお役に立ちたいと思い、魔法少女として参戦させて頂きました。勿論その中にはもう一度学校に行ってみたい、そしてまたみんなと話がしてみたいという私のエゴがあったのも事実です。しかしそれは私の予想よりもはるかに魔力の消耗が大きく、大した役にも立てなかったばかりか、却ってあなたを苦悩させる事となってしまいました。その事、深く深く重ねてお詫び申し上げます。そして何より前の世界でだけでなく今の世界に於きましても、あなたの私に対する思いやりと献身に対しましては、私はもう感謝を表す言葉すら思い付かず、た
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