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SECOND
第一部
第二章
第十八話『誰か教えてよ』
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 翌日の朝、昨日とは打って変わって元気な幸恵が登校中の翠と詩織に挨拶して来た。
幸恵 「翠、詩織、おっはよーっ!」
詩織 「おはよう。何?今日はすっかり元気じゃない。」
幸恵 「まーねー。ところで翠ぃ、昨日はどうだったのぉ?」
翠  「幸恵、それはここではちょっと…」
幸恵 「あっ、そうだよねぇ。ごめんごめん、んふふふふ。」
詩織 「えーっ、なになに?何なの二人で。」
幸恵 「秘密だよね〜。」
翠  「う、うん…」
 そんな風に言ったら却って興味を引くじゃないか≠ニ、翠は思った。しかし幸恵はそんな事にはお構いなく、前を歩くほむらとまどかを見つけると走り寄って行った。
幸恵 「暁美先輩、それにまどかさん、お早う御座いますぅ。」
まどか「ああ、幸恵ちゃん。おはようございます。」
 まどかは苦笑気味に応え、そしてほむらは迷惑そうに言った。
ほむら「鳴子さんでしたっけ。分かっているとは思いますけど、もっと慎んで頂けないものかしら。」
 しかしハイテンションな幸恵は嬉しそうに答える。
幸恵 「はーい、すいませーん!気を付けまーす。」
 ほむらは振り向くとこいつを何とかしろ!≠ニいう目で翠を睨んだ。翠はしょんぼりと頭を下げた。

  ?

 昼食時も幸恵はソワソワしながら一人で盛り上がる。
幸恵 「ねぇ翠ぃ、今日はどうなのかなぁ。」
翠  「どうって?」
幸恵 「今夜も狩りするんでしょ、唯さんも来るんでしょ。」
 翠はイラついた。
翠  「幸恵、私や陽子がそんな話をあなたの前でした事あった?こう言っては何だけど、どうもあなたには向いてないんじゃないのかしら。」
 しかし一番いたたまれない思いをしているのは、一人蚊帳の外に置かれた詩織だった。
詩織 「もう、一体何なの二人共。私だけ仲間外れにしてさあ。唯とか陽子とかって誰なのよ!」
翠  「御免、詩織。今は言えないの、本当御免。」
 翠は詩織に手を合わせた。

  ?

 放課後もウキウキが止まらない幸恵だったが、帰り道の別れ際の詩織の一言で消沈する。
詩織 「幸恵、今日も塾の日だよね。それじゃあまた明日。」
幸恵 「うん、じゃあね…」
 急に落ち込んでトボトボと歩いて行く幸恵の後姿を、翠と詩織は見送った。
 翠が家に帰ると、間も無くして玄関のチャイムが鳴った。
翠  「誰だろう?」
 翠が扉を開けると、幸恵がにこやかな顔をして立っていた。
幸恵 「お邪魔してもいい?」
翠  「えっ!?うっうん、いいよ。」
 幸恵は翠の了承を得ると、ずかずかと家の中に上がり込んでしげしげと部屋の中を見回した。
幸恵 「ふ〜ん、結構良い部屋ね。一人暮らしってやっぱり気楽で良いわよねぇ。」
翠  「う、うん。でもいろいろ自分でやらなくっちゃいけ
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