第一部
第二章
第十八話『誰か教えてよ』
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翠にしてみればほむらの為を思って言った事だ、なのにそんな風に言われては感情的にならない訳がなかった。それでも翠はほむらを責めるような事を言いたくはなかった。ふと、陽子の言葉が脳裏に甦る。
まどかには気を付けて
翠は、自分とほむらの間でどうして良いのか分からずに立ち尽くしているまどかが、急に腹立たしく思えた。考えてみればこの人が来てからほむらはおかしくなったのではなかろうか。あの素敵な憧れのほむらは…
翠 「私思ったんですけど、まどかさんが現れてから魔獣達の様子が変になった気がするんです。まどかさん、あなた何か思い当る所はありませんか?」
まどか「あはは、そう言われても私…御免なさい。」
まどかは申し訳なさそうに、しょげて下を向いた。しかし、ほむらにとってまどかは最大の琴線だった。
ほむら「あなたにまどかの何が分かるっていうの!今のまどかがどれ程のリスクを負って戦っていたのか、そして前の世界でどんな思いをしていたのか、知りもしないくせに…謝って、まどかに謝ってよ。今すぐ謝りなさいよ!」
しかしほむらがまどかを庇えば庇うほど、翠のまどかに対する嫉妬は増すばかりだった。翠にしても陽子やマミを失って来ているのに…
翠 「今の世界の魔法少女だって、みんな命懸けで戦っています。それに前の世界の事なんて、今の私達には知った事ではないんです。今の私達にとっては、今目の前にある事だけが全てなんです!」
翠はほむらにではなく、まどかに向かって言っていた。その時、ほむらが奇声を上げた。
ほむら「キーッ!」
逆上したほむらの拳が翠の左頬を打ち抜いた。翠は反動で更に鋼鉄製の扉に強かに頭を打ち付け、その場にしゃがみ込むように崩れ落ちた。倒れた翠に対し、尚もほむらは奇声を発しながら暴行を加え続けた。
ほむら「この野郎!翠てめー、こん畜生が…」
まどか「止めて、ほむらちゃん!」
まどかがほむらにタックルをして翠から引き?がすと、翠は扉を僅かに開けてそこから擦り抜けるように逃げ出して行った。
翠は泣きながら夕日に染まった街を走った。翠は走りながら、まだ心の中にいるカッコいい尊敬するほむらを必死に守った。
?
夜の公園に唯と詠と幸恵が集まっていると、そこへ翠がやって来た。翠は明らかに泣き腫らした目をして、その左頬には痣があった。三人は聞かずにはいられなかった。
幸恵 「その左頬、どうしたの翠?」
翠 「大丈夫、何でもない。」
しかし三人は、明らかに大丈夫じゃないし何でもなくはないと思った。
そこへほむらがやって来た。ほむらが来ると翠は明らかに彼女を避けて顔を背けた。異常なまでにぎこちない二人を見て、他の三人は何かこの二人の間であったと確信した。
詠は翠を心配して一計を案じた。
詠 「ねえみんな
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