第一部
第二章
第十八話『誰か教えてよ』
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なぁ?」
まどか「御免ね、ほむらちゃん。」
ほむら「ソウルジェムを見せて、今すぐに。」
まどかは自分のソウルジェムをほむらに差し出した。
ほむら「もう、こんなに…」
まどかのソウルジェムは大半が闇となり、その中に幾つかの輝きが浮いている状態だった。ほむらはソウルジェムを返すと言った。
ほむら「こんな事、まどかに言いたくないよ。言いたくないけど、私はあなたとの約束を守る為に全てを捧げたのに…なのに…ねえまどか、ひょっとして私の所為で世界を変える贄となってしまったから恨んでいるの?もしそうなら、そう言って私を責めて…だって私、その方が楽だもの。」
まどか「本当に本当に御免ね、ほむらちゃん…御免ね…御免ね…」
後は二人のすすり泣く声が聞こえるばかりだった。
?
ほむらの部屋のチャイムが鳴った。だがほむらもまどかも動かなかった。間隔を置いて再び鳴った。まどかは顔を上げてほむらの方を確かめた。しかしほむらは顔を埋めたまま動こうとはしなかった。三度目のチャイムが鳴った時、まどかがそっと立ち上がった。まどかの動く気配を受けてほむらがまどかに言う。
ほむら「出なくていいよ。」
まどか「誰か確かめるだけだから。」
そう言ってまどかは玄関まで行くと、扉の覗き窓から誰が来たのか確かめた。まどかが鍵を開ける音を聞いて、ほむらは顔を上げた。
まどか「あら、翠ちゃん。いらっしゃい。」
翠 「どうも、まどかさん…今日はお二人共、学校を休んでいらしたみたいでしたけど…」
まどか「うん、ちょっと調子が悪くってね。心配させちゃってごめんなさいね。」
その時、暗い部屋の奥からほむらが出て来た。ほむらは髪を乱し、よれよれのパジャマをだらしなく着崩していた。
ほむら「何か用?」
翠 「いえ、今日は学校を休んでいらしたのでどうしたのかと思って、ちょっと寄らして貰っただけですから。」
ほむら「心配したって言うの。…ああそうよね、また狩りとかサボられたら困るものね。御心配して頂かなくても使命なら果たしますから。」
翠 「…お加減が悪いようでしたら、今日は来て頂かなくてもいいんですよ。」
ほむら「別に、仕事ならちゃんと出来るわ。後で因縁つけられるよりはましだもの。」
翠 「いえ、私の方からみんなには説明しておきますから、来なくてもいいです。」
ほむら「あなたがよくてもダメって言う人がいるでしょうが。大体あなたにそんな権限なんて無いでしょ。」
翠 「一応私がリーダーですから。今のあなただと足を引っ張られそうだって言えば、みんな納得してくれます。」
ほむら「あなたがリーダー?」
ほむらはさも馬鹿にしたような口調で言う。
ほむら「はっ、リーダーだなんて言っても所詮は形だけのものでしょ。そんなものに意味なんて無いわ。」
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