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SECOND
第一部
第二章
第十八話『誰か教えてよ』
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 魔法少女の翠に送られて家の門の前に着いた幸恵は、両手で翠の手を持って上下に振りながら言った。
幸恵 「今日は有り難う。私決めたから。」
翠  「そう…なら私から言える事は一つ。悔いの残らない願い事をするように、よく考えてね。」
幸恵 「うん、分かってる。じゃあまた明日。」
翠  「うん、じゃあ明日。」
 ウキウキしながら門から玄関までスキップして行く幸恵を見て、翠は夜空へと消えて行った。
 幸恵は嬉しそうに、玄関の扉を勢いよく開けた。
幸恵 「たっだいまーっ!」
 しかし、そこには鬼の形相の幸恵の母親が待ち構えていた。
幸恵母「ただいまじゃないでしょ!あなた続けて塾サボって何やってんの!」
幸恵 「何って…大切な事だよ…」
幸恵母「今のあなたに勉強以上に大切な事なんて無いでしょ!さあ、サボった分、今すぐ取り戻しなさい!」
 幸恵は震えながら消え入るような声で言った。
幸恵 「この世には勉強以外にも、大切な事はあるよ…」
幸恵母「無い!そんな物この世に無い!そんな事も分かんないならこの家から出てお行き!」
 出て行けの言葉に、弾かれるように幸恵は泣きながら家を飛び出して行った。

  ?

 次の日、幸恵は学校に来なかった。翠は詩織に尋ねる。
翠  「今日幸恵来てないみたいなんだけど、詩織何か知ってる?」
詩織 「知らないよ!私の方が聞きたいぐらいだよ。私に内緒の例の秘密の所為なんじゃないの!」
 夜になっていつもの公園に集合すると、キュゥべえを肩に乗せた幸恵がやって来た。
翠  「幸恵!?今日…」
 翠の言葉を遮るように手を前に出して制すると、幸恵は言った。
幸恵 「皆さんどうも、私も今日から魔法少女になりました。宜しくお願いします。」
 そんな頭を下げる幸恵を、ほむらと詠はとても冷めた目で見ていたが、唯は歩み寄って幸恵の手を取って歓迎した。
唯  「やあ幸恵ちゃん、こちらこそ宜しく。」
翠  「幸恵…幸恵は一体どんな願い事をしたの?」
幸恵 「あら、それって言わなくちゃいけない事なのかしら。そんな事より早く実戦をしてみたいんだけど…」
唯  「そりゃそうだよな。ほら、みんな行こうぜ!」
 ほむらと詠は唯に幸恵という賛同者が加わった事に不安を感じた。

  ?

 翌日、普通に登校して来た幸恵に詩織が尋ねる。
詩織 「おはよう、幸恵。昨日はどうしたの?」
幸恵 「あっ、詩織…うん、ちょっと調子が悪くってね。でももう大丈夫だよ。」
詩織 「そう…」
 放課後三人で下校すると、幸恵の方から翠と詩織に遊びに行こうと誘って来た。
幸恵 「ねえ翠、詩織。帰りに少し遊んでいかない?」
詩織 「でも幸恵、塾があるんでしょ。大丈夫なの?」
幸恵 「ああ、あれ。うんもういいの、あれは
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