第一部
第二章
第十八話『誰か教えてよ』
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ないから、逆に親のありがたみを感じるくらいだよ。」
幸恵 「ここって家賃幾ら位なの?月の生活費って幾らぁ、て言うか翠ってどれくらい貰ってんの?」
翠 「えーと…現金で貰っている訳じゃなくて、家賃なんかは天引きみたいになってて、生活費はカードで済ませる感じかな…」
幸恵 「カード?それ見せてよ。」
翠は渋々それを見せた。
幸恵 「わーっ!翠これで買い物とかするんだぁ。いーなー、かっこいーなー。」
翠 「…幸恵、今日は塾に行かなくっちゃいけないんでしょ。すぐ帰った方が良いんじゃないの。」
幸恵 「あっもういいの、それは。私、魔法少女になるから。」
翠 「…あのねぇ、幸恵。前にも言ったけど、魔法少女って命懸けで戦わなければならなくって大変なんだよ。巴先輩も陽子も死んじゃったんだよ。他にもあなたの知らない人が魔法少女として戦いの中で落命しているの。塾や勉強が嫌だからって理由で魔法少女になりたいんなら止めて、そんな気持ちの人になって欲しくないの。」
翠のその言葉に、その翠よりも怒ったような反応を幸恵はした。
幸恵 「私がそんな単純な理由でなりたいと思っているの?じゃあ聞くけど翠、あなたはどんな御大層な理由で魔法少女になったって言うの、教えてよ。」
翠 「それは…」
翠は一瞬、私はこの世界を守る為になったのだと誇って言おうと思ったのだが、すぐに自分だって引っ越したくなかったからという打算的な理由がなかった訳ではない事に気付いてしまった。翠は悟った、結局自分も成り行きでなっただけな事を、そして今の幸恵はかつての自分である事を。だから自分が何を言おうと幸恵は魔法少女になってしまうのだ。そして魔法少女に至る理由に打算の無い御大層な訳を持った子なんてまずいないのだ。
幸恵 「ねえ、今日も魔獣狩りするんでしょ。私も連れて行ってよ。…て言うか、私行くから。どうせあの公園なんでしょ、押しかけてやるんだから。」
?
狩りの為に公園に魔法少女達が集合していた。最後に翠が幸恵を連れてやって来た。
唯 「やあ、幸恵ちゃん。」
幸恵 「あっ唯さん。えーと、こんばんは。」
ほむら「翠、どういうつもりなのかしら?」
翠 「幸恵には魔法少女の実戦を見学して貰おうと思って…」
ほむら「そう…まあ、そうなるわよねぇ。」
ほむらの言葉の意味が翠に突き刺さる。
詠 「これって良いのかしら?キュゥべえ。」
キュゥべえ「ああ、問題ないさ。翠も随分と見学していたからね。」
詠 「ふーん。まあ、なるっていうのなら事前に知っておいた方が良いかもね。」
唯 「さあ、そうと決まれば早速行こうぜ!」
そして一行は結界の中へと消えて行った。
?
その日の魔獣狩りは特に変わった事もなく、滞りなく終了した。
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