第一部
第二章
第十七話『あれは君の所為なんかじゃない』
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かしいなぁ。どこかに落として来ちゃったのかなぁ〜。」
ほむら「そんな訳ないでしょ、もう!」
堪忍袋の緒が切れたほむらはまどかに飛び掛かると、彼女の服の中に手を突っ込んで自ら探し始めた。
まどか「ちょっと、くすぐったいよほむらちゃん。いやーっ、あははは…」
ほむら「どこ!どこへやったの!」
まどか「うひゃひゃひゃひゃー…あーもー降参、降参するよー。鞄、鞄の中にあるよー。」
それを聞いてほむらは手を引っ込めた。乱れた服を直しながら、まどかが言う。
まどか「ほむらちゃんの、エッチ。」
ほむら「なっ!」
ほむらは思わず赤面してしまった。まどかは鞄から丸めた紙を取り出すと、それを広げ出した。
ほむら「あなたねぇ、これがどれだけ大切な物か…」
まどか「大丈夫だよ、ほむらちゃん。なんたってボルトと一緒に握り潰したって、傷一つ付きはしないんだから。」
ほむら「えっ?」
まどか「さあどうぞ、とくとご覧あれ。」
まどかは紙の中にあったソウルジェムをほむらに手渡した。ほむらはそれをしげしげと見詰めてから言った。
ほむら「これはもう…半分よね。」
ほむらはホッとすると同時に違和感も覚えた。
(これでもうまどかは戦わなくてもいい。しかしそれにしても、たった二戦でここまで輝きを失うなんて、いくら何でも消耗が激し過ぎるのではなかろうか?)
ほむら「とにかくキュゥべえに確かめておきましょう。これであなたが戦いの義務から解放されたのかどうかを。」
?
幸恵が家に帰ると母親が成績の事で小言を言って来た。幸恵は小言を受けながら塾の支度をすると、着替える事もなくすぐに家を出た。嫌な気分になりながら塾へ行く幸恵。
塾が終わり、ため息を吐いて建物から出ると、へとへとになって帰路に就いた。
幸恵 「人生ってずっと、こんなんなのかなぁ…」
幸恵は虚無感に襲われた。そして彼女は考える事を止めようと考えた。周りの景色が変わって行く。だが幸恵は何も考えないよう歩いて行く。
ふと気が付くと見知らぬ、そしてこの世ならざる場所に立っていた。
幸恵 「…ここ、どこだろ?」
多くの人間がするように後ろを振り返ったが、そこに幸恵が望むような光景は見られなかった。
幸恵 「ちょっとー、誰かいませんかー!」
幸恵が大声を出して尋ねると、それに応えるかのように魔獣が現れた。そして大半の人間がそうであるように、彼女は逃げもせず魔獣の振り上げた拳をただ見詰めるばかりであった。
魔獣の拳が振り下ろされる前に、どこかから飛んで来た矢がその魔獣に刺さった。よろめく魔獣に、少年と思しき刀を持った人物が切り掛かり、それを倒した。その時、幸恵はそれを美しいと思った。よく見れば、魔獣は一体ではなく何体もいた。幸恵はその少年と、後から現れたボウガンを
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