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SECOND
第一部
第二章
第十六話『どうか完璧な魔法少女になって』
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陽子に手柄を譲ってやったんだよ。」
詠  「そう…、ならあなただけ一人で結界から出てるといいわ。私はここでみんなを待つから。」
唯  「詠…」

  ?

 まどかが近付く魔獣に矢を撃っていると、その横を陽子が通り過ぎて行った。そこへほむらがやって来た。
ほむら「まどか、巨大魔獣を倒したわ。だから作戦通り、今すぐここを出ましょう。」
まどか「ほむらちゃん、今陽子ちゃんが行っちゃったんだけど、どうしたのかなぁ。」
ほむら「まどか…陽子は翠の所に行っただけ。そして翠なら大丈夫、彼女の実力はあのマミよりもずっと上よ。さあ、私達は足手纏いにならない内に、早くここを出てしまいましょう。」
まどか「でも変だよ。翠ちゃんちっとも来ないし、魔獣達の様子からしても近付いて来てもいないみたいだよ。」
ほむら「まどか…もし何かあったとしても、今陽子が行ったからいいでしょ。私達の役目はもう終わったのよ。」
 ほむらはイラつく心を抑えてまどかを諭そうとした。しかし相手に対してイラついていたのは、まどかも同じだった。
まどか「ほむらちゃん…先に行ってて。」
 そう言って、まどかは陽子の後を追うように飛び出して行ってしまった。
ほむら「あーもう!まどくぁ!あ〜っ!」
 ほむらはヒスを起こし、頭を抱え、地団太を踏んだ。そしてまどかの後を追った。

  ?

 崩れた塔の残骸の隙間から、近寄って来る魔獣に魔法の矢が放たれていた。瓦礫に挟まれ力無く横たわりながら必死に弓を射る翠を、最初に見つけたのはまどかだった。
まどか「翠ちゃん。今、助けるからね。」
翠  「まどかさん…あの巨大魔獣は倒したんですね。」
まどか「うん、あれはみんなでやっつけたよ。」
 まどかは翠の足の上に載っている塔の瓦礫に肩を入れ全身の力でなんとか撥ね退けた。そして翠の足が二本共、あらぬ方へと曲がっているのを見た。
翠  「そういう事です。さあ、もう行って下さい。」
まどか「だったら担いで行くまでだよ。」
翠  「フフフ…」
 翠は突然笑い出した。
翠  「あなたが私を…逆ならまだ分かりますけどね。まどかさん、前にマミさんの部屋で握手をした時の事は覚えていますよね。あの時、私の魔力があなたの魔力を打ち消した事はあなたも感じたんでしょ。だから怪訝な顔で私を見て手を放しましたよね。私にも理由や原理は分かりませんけど、どうもあなたと私は触れる事によって互いに相手の魔力を打ち消してしまう相反する存在のようです。そしてここで問題なのは、あなたが打ち消す私の魔力は私にとっては微々たるものなのですが、私によって打ち消されるあなたの魔力があなたにとってはあまりにも甚大だってことです。そうでしょ、私には分かっていますよ。そんなあなたが私を背負って魔獣の群れの中を突っ切ろうだな
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