第一部
第二章
第十六話『どうか完璧な魔法少女になって』
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に、大量の魔獣の気配が現れた。
唯 「罠だ!囲まれたぞ!」
しかしほむらにはその意味が分からない。
ほむら「罠ってどういう事?」
唯 「お前は知らないだろうがな、マミさんが殺られた時もこんな風に囲まれて退路を塞がれたんだよ!」
ほむら「魔獣が組織的に動いているって言うの?」
唯 「そうさ。」
ほむら「あいつらに知性があるって言うの?」
唯 「それは…分からないけど…雨が降ってると利口になるんじゃねえのか?」
ほむら「そんな、馬鹿な…」
唯 「ハンッ、馬鹿はおめーだろ。」
ほむら「あんたねえ…」
唯の物言いにさすがにムッとしたほむらだが、まどかが諭す。
まどか「ほむらちゃん!そんな事言ってる場合じゃないよ。」
詠 「そうよ唯。大体あなたが狩りの継続を訴えたんでしょが!」
唯 「お、俺は一つの意見としての案を言っただけだろ…決めたのはリーダーの翠だぜ。おい翠、どうすんだよ!」
翠 「とにかく、結界の出口に向かいましょう。」
?
魔獣達は明らかに意思を持って行動していた。一行の退路を塞ぐように動きの速い中小の魔獣がその進行軸線上に集まって来ていた。そしてもはやセオリーとばかりに、結界の出口付近には一際大きい魔獣が待ち構えていた。また前方とは別に、周囲を取り囲むように魔獣達が迫って来ていた。
翠は自分がメギドを連発すれば比較的容易にこの危機を脱せるとは思っていた。しかしマミの言葉が頭をよぎる。マミはなぜ自分にメギドの使用を制限したのであろうか、翠にはやはりその理由は分からなかった。が、あのマミが言ったのだから何か意味があるに違いがなかった。翠にとってマミもまた、ほむら同様敬愛して止まない存在だった。その言動は死して尚、翠を縛り続けていた。
翠 「皆さん、聞いて。まず私がメギドで前方に道を作ります。そしたらすぐにそこを通って五人で結界の出口まで行って、あの巨大魔獣を倒してください。そしてそれを倒せたら、私を待たずに速やかに結界から出てください。」
まどか「でも、それじゃあ…」
翠 「大丈夫です。私は武器の特性上、一人で戦った方が力を発揮できますから。それから…」
全員が翠に注目している。
翠 「今日は誰も死んだりしませんよ。いいですね、皆さん。」
全員が頷いて見せた。
翠はメギドを撃つべく大きく弓を引いた。矢の先に魔力の光輪が現れ、まどか以外の者は翠から離れる。
翠 「まどかさん、もっと下がって!」
まどか「え?」
翠の近くにまだいるまどかを、ほむらが慌てて引っ張って離す。
翠 「マキシマムドメギド!」
翠の許から凄まじい衝撃波が発し、突風を巻き起こす。
まどか「え!」
マキシマムドメギドはその射線上の魔獣達を砕け散らせながら、そこに道を作っ
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