第一部
第二章
第十六話『どうか完璧な魔法少女になって』
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しら?」
その唯と詠のやり取りに、不思議そうな顔をする翠と陽子。そんな翠は目を合わせようとせずにほむらに尋ねた。
翠 「ほむらさん、お加減は宜しいのですか?」
だがその翠の気遣いに対し、ほむらも目を合わせようとせずに軽く受け流すだけだった。
ほむら「ええ、大丈夫よ。気にしないで。」
唯 「ところでさあ…俺昨日も思ったんだけど、マミさんがいなくなっちまってさあ、俺達やっぱまとまりがないんだよな。だからさあ、改めてリーダーを決めとく必要があると思うんだよねぇ。どう、みんな?」
もっともな意見ではあった。まどかは別にして、この中で一番の古参はほむらだった。全員の視線がほむらに集まる。
ほむら「今の私に、みんなの信頼を受ける資格は無いわ。」
唯 「だな。」
次は翠だった。同様に翠に視線が集まる。翠は迷った。年齢的に自分は若輩の方だし、それに正直リーダーなんてタイプじゃない。
詠 「翠、実力的にいってもあなたがやるべきだと私は思うわ。」
陽子 「私も翠ちゃんが良いと思う。」
詠は翠に期待をしていた。唯だって翠の実力は認めて、いや恐れていると言っていい。唯の暴走を翠なら止めてくれるかもしれない。
ほむらも同じ思いだった。陽子は器じゃないし、静沼中の子は信用出来ない。
ほむら「翠、私もあなたが適任だと思うんだけど…」
今度のほむらは願うような目で翠を見て言った。そのほむらの言葉に促されるように、翠は軽く頷いた。唯は翠に催促する。
唯 「じゃ、決まりだな。早速頼むぜ、リーダー。」
翠 「ではただ今から、魔獣狩りを決行いたします。」
?
結界の中は雨が降っていた。
唯 「おい、これって…」
詠 「ええ、そうね…」
唯と詠だけではなく、翠と陽子も落ち着かない様子だった。ほむらとまどかは雨が降っている事以上に他の魔法少女達の反応が気になった。誰彼へと無くまどかは言ってみた。
まどか「雨が降ってるね。」
唯 「ああ、マミさんが殺された時も降っていたよ。」
翠 「マミさん言ってました、魔獣空間で雨が降る事なんて無かったって。それにその時の魔獣達の様子も変だったんです。」
詠 「とにかく気を付けましょう。」
陽子 「あっちの方にいるみたいだけど…」
陽子の指摘通り、少し離れた場所に魔獣達の気配があった。
唯 「リーダー、どうすんだ?」
翠 「…そうですね、行ってみるしかないでしょうね。各自充分注意して下さい。」
六人が魔獣の気配がする方へと近付くと、まるでそれは逃げるかのように遠退いて行った。
陽子 「ほむらさん、今までこんな事ありましたか?」
ほむら「いえ、こんな事は初めてだけど…」
その時、翠が突然号令を掛けた。
翠 「みんな!止まって。」
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