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SECOND
第一部
第二章
第十四話『世界が変わっても、運命は変わらない』
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た。
唯  「正義断罪!」
 唯が彼女の言わば必殺技で倒れ込んた魔獣の首を切り落とした瞬間、魔獣に握られその拳から首だけを出した状態のマミのその首を魔獣のもう一方の掌底がちぎり切った。
唯  「さ、先に出るぞ!」
 唯はパニクッていて、ノルマは果たしたとばかりに脱兎の如く結界から逃げ出した。

  ?

 地に降りて弓を放っていた翠のやや後方で、何かが濡れた地面に落ちて来て転がったようなボシャシャッという音がした。翠は何気に振り向いてその音のした方に目を向けると戦慄し、それを見詰めたまま暫く動けなくなった。

  ?

 真っ先に結界の外に出た唯のその荒い息が整う頃、詠と陽子がマミの体を二人で抱えて現れた。
唯  「あっマミさん、大丈夫ですか?」
 唯は知らずに近付くと、マミの首が無い事に気付き、仰天して尻餅を突いて倒れた。
唯  「えっ、あっ、そっ…」
 唯が狼狽している所に、マミの首を大事そうに胸に抱えた翠が現れた。唯が何も出来ずに腰を抜かしている間に、詠と陽子はマミの体を丁寧に地面に置くと、その両手を胸の上に合わせさせた。詠が変身の解けたマミのポケットからハンカチを取り出すと、翠はマミの首をそっと体に繋がるように置き、その上をハンカチで覆った。それらは全て無言で行われ、そして沈黙はその後も続いた。
 その沈黙はほむらの登場によって破られた。
ほむら「みんな…」
 ほむらは横たわるマミと他の魔法少女の様子から事態をすぐに把握した。
ほむら「御免なさい…」
 ほむらは項垂れて見せたが、マミの死それ自体には特に感慨は無かった。彼女の死なら何度も見ている。
唯  「おめーの所為だぞ!」
 突如唯はほむらの胸倉を掴んで怒鳴りつけた。ほむらは顔を背ける。
唯  「マミさんはなぁ、マミさんはなぁ、お前が行き違いになったらいけねえって退くに退けずにいたんだぞ。今まで何やってやがったんだよ、えぇ!」
ほむら「私の方もちょっといろいろあったから…」
唯  「ちょっとって何だよ、いろいろって何なんだよ、それって遅れたりサボったりするだけの事だったのかよ!」
 唯は掴んだ胸倉を絞り上げて追及した。更に顔を押し付けるようにしてほむらの耳元でがなる。
唯  「おめーがマミさん殺したようなものなんだぞ!分かってんのかよ、ふざけてんじゃねーぞこらぁ!」
 その時、翠がほむらの胸倉を掴んでいる唯の手を掴んで割って入った。
翠  「止めて…」
 背の高い唯を下から突き上げるように、鋭い眼光で翠は睨んでいた。唯はそんな翠に少し怯んだ。
唯  「でもよーこいつがよー…」
翠  「止めて。」
 翠の実力はさっきの戦いで唯にも充分理解出来ていた。そこへ更に、詠が唯をたしなめる。
詠  「唯。あなたには本当に、ほむらさん
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