第一部
第二章
第十四話『世界が変わっても、運命は変わらない』
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何なんだ、あのでかさは!」
詠 「マミさん、あれって?」
マミ 「ええ、私でも数回しか見た事の無い大きさの奴ね…」
しかし百戦錬磨のマミは、ここぞとばかりに冷静に全員の状態と周囲の状況を見回した。
(翠が大分へたっている。一番の頼りだけに辛い所だが、今までの活躍を考えれば致し方が無い。幸い翠のおかげか、自分を含めた四人にはまだ充分な余力がある。)
マミ 「まず退路の確保が先決ね。私と春哥さんと綾野さんの三人で、あの出口を塞いでいる一番大きいのを仕留めましょう。翠と陽子は可能な限り周りの魔獣を駆逐して私達を戦い易くしてちょうだい。どう、いいかしら?」
四人 「はい!」
それぞれが行動に移る中、マミが陽子を捕まえて言った。
マミ 「陽子、翠をお願いね。」
陽子 「うん、勿論だよ。」
マミ 「陽子…今まで黙っていたけど、実は私キュゥべえから翠には特別な使命があるって告げられていたの。だからこんな所で翠を失う訳にはいかないの、分かってくれる?」
陽子はマミから翠の事を託されて、自分という存在に意義を感じられて嬉しかった。
陽子 「…うん、よく分かった。」
いつの間にか雨が激しくなっていた。
?
ほむらとまどかが一緒に並んでベッドで寝ていると、稲妻の閃光が窓のカーテンを光らせた。続く轟音を受け、ほむらはまどかの肩に顔をすり寄せて甘えた。
ほむら「まどか、かみなりぃ。」
まどか「もう、甘えんぼさんなんだから…」
まどかはほむらの顔を優しく抱きかかえた。恐らくそれは、今のほむらにとって最も安らぎを覚えた一時だったであろう。しかし次の閃光が起こると、まどかは急に窓の方に身を乗り出した。何事かと思ってほむらも窓の方を見るとその時稲光りがし、カーテンにキュゥべえのシルエットが映った。
ほむらが玄関に回って扉を開けると、びちょびちょのキュゥべえが外で水切りをしてから入って来た。
キュゥべえ「ふーぅ、やれやれ酷い雨だ。」
ほむらは腕を組み、目を逸らしてあからさまに嫌悪感を込めて言った。
ほむら「何?」
キュゥべえ「何って、ほむら。どうして今夜の狩りには来ないんだい?」
それを聞いてまどかは、どういう事なのか尋ねるようにほむらに言った。
まどか「ほむらちゃん?」
ほむらはそれには答えず、吐き捨てるようにキュゥべえに言った。
ほむら「唯って子を新しく魔法少女にしたでしょ、それでもう充分なんじゃないの。第一、翠がいれば私なんて必要無いでしょ!」
キュゥべえ「それがそうでもなくってね。それに休むにしたってその事を事前に伝えて貰わなくっちゃ困るんだよ。今夜は変な夜でね、魔獣の様子が異常な上に数も多くってさ。それでみんな早く撤退したかったんだけど、いつ君が来るか分からないから入れ違いになる事を恐れて
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