第一部
第二章
第十四話『世界が変わっても、運命は変わらない』
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二人は缶ジュースを開けて乾杯すると、ピザを取り出して口に運んだ。
ほむら「う〜ん、これ美味しいね、まどか。」
まどか「うん、美味しいね…」
しかし、まどかは急に暗くなってしまう。
まどか「配達の人、こんな嵐の中大変なのに…私は何にもしないで、部屋の中で食べているのね…」
不労に対する自責の念で、また落ち込み出したまどか。それを見たほむらは、対面からまどかの横に移ると、俯くまどかの下から見上げるようにして悲しげに懇願した。
ほむら「頑張ってくれるんじゃなかったのかなぁ。」
少し間を置いてから、思い出したようにまどかは笑顔を作って言った。
まどか「冷めない内に食べちゃわなきゃね。」
そして、少し無理気味にピザを頬張った。
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魔獣空間の中に入ったマミは驚いていた。魔獣空間の中でも雨が降っていたからだ。そんなマミの異変に気付いた翠は質問した。
翠 「マミさん、どうかしたのですか?」
マミ 「ええ、雨が降っているのがね…」
翠 「今日は外でも降っているから、こっちでも降っているってだけなんじゃないんですか?」
マミ 「いいえ、私が知る限り魔獣空間の中で雨が降っていた事は一度も無かったわ。外がどんな時でも、ここはいつも同じだったもの。」
その時、一行は魔獣の群れを見つけた。魔獣達は数こそやや多かったものの、中小の大きさの物ばかりで新人にはうってつけの相手だった。うずうずした唯が詠の制止を振り切ってマミに催促する。
唯 「マミさん、俺もう行きますけどいいですよね?」
マミは、はやる唯に御預けをしても却って危険と判断した。
マミ 「いいわ。みんな、綾野さんを中心に彼女をサポートしてあげて。さあ、お好きなようにしてごらんなさい、綾野さん。」
唯 「くーっ、さすがマミさん分かってらっしゃる!」
唯は喜々として魔獣の群れに突っ込んで行った。無謀な唯を詠が追い、陽子も続いた。翠が行こうとするとマミが止める。
マミ 「待って、翠。」
翠 「はい、何でしょうか?」
マミ 「あのメギドって技、あんまり多用しないで欲しいんだけど。」
翠 「えっ…ああ…でも私、仲間をあの衝撃波に巻き込まないようにちゃんと気を付けているつもりなんですけど…」
マミ 「いいえ、そうではないの翠。勘違いしないでね、あなたの為を思ってお願いしているのよ。」
翠 「それは、お気遣いどうも…」
正直、翠にはマミの心配の意味が分からなかった。
?
ほむらとまどかはテレビゲームに興じていた。キャッキャッと戯れる二人。
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雨の中、五人は倒しても倒してもまるで無限に湧き出るように現れる魔獣に、次第に苦戦を強いられるようになっていた。不安を覚えた詠がマミの許へ行くと、それに倣
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