第一部
第二章
第十四話『世界が変わっても、運命は変わらない』
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を責める資格があるのかしら?」
唯は完全に怯んで腰砕けになった。ほむらから手を離すと拗ねたように向こうを向いた。
翠 「私が言うべき事ではないのかもしれないけど、魔法少女が戦いの中で死ぬのは織り込み済みの事でしょ。私達はそういう運命を受け入れたんでしょ。マミさんが死んでしまって私凄く悲しいよ。でもそれで私達がお互いにいがみ合うのって違うでしょ。第一そんな事するのはマミさんの前で失礼だよ!」
再び沈黙が訪れた。誰も何も言えない。
翠 「キュゥべえ!」
翠は沈黙を破って叫んだ。するとすぐにキュゥべえは現れた。
キュゥべえ「何だい?」
翠 「マミさんの御遺体の事なんだけど…」
キュゥべえ「ああ、分かっているとも。彼女の遺体は彼女の両親のお墓に丁重に葬らせて頂くよ。それで良いかい?」
翠 「ええ、そうしておいてね。」
キュゥべえ「さあ、君達の今すべき事は休息を取る事だよ。後の事はこっちでやっておくから、みんなはもうお帰り。」
まず詠と唯がマミに最後のお別れをして帰って行った。翠と陽子もそれに続きその場を離れた。最後に残ったほむらは、マミのハンカチを持ち上げてその死に様を見ると呟いた。
ほむら「世界が変わっても、運命は変わらないものなのね、マミ…」
?
帰路に就く翠は一緒にいる陽子に言った。
翠 「陽子、先に帰っていて。私どうしても確かめなくっちゃいけない事があるの。」
陽子 「…うん、分かった。」
そして翠はほむらを追った。
ほむらは帰路の途中、何者かの追跡を感じて人気の無い駐車場で待ち構えた。
(あの唯って子かしら?だとするとかなり厄介だけど、どうしよう…)
しかしそこに現れたのは翠だった。
ほむら「翠…何かしら?」
翠 「ほむらさん、ちょっといいですか?」
ほむら「ええ、でも手短にね。」
ほむらは早くまどかの許へ戻りたかった。彼女が心配で堪らない。
翠 「今日遅れて来たのは本当に已むを得ない事情だったんでしょうか?」
ほむらは翠から目を逸らして答えた。
ほむら「ええ、そうよ…」
ほむらにとってはそうであったが、他人に理解を求めるのは難しい事だ。
翠 「そうですか…分かりました。」
翠はとてもがっかりしたように言いながら下を向いた。ほむらはその翠の態度を見て、翠が自分に対して疑念と失望を懐いたと思い、焦りを感じた。今の自分の立場を考えれば翠は抱き込んでおきたい。
ほむら「さっきはありがとう。」
ほむらは急に翠に近寄って行った。翠は突然のほむらの接近に当惑して慌てた。
翠 「いえ、別に、私はただ…」
ほむらは翠の両手を取って、目を合わせて尋ねる。
ほむら「ねぇ、翠は私の事好き?」
意表を衝かれ浮き足立った翠は、突然の質問に意味も分
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