第一部
第二章
第十三話『それくらいの責任』
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唯!?」
詠は唐突に現れた唯に、思わず声を上げてしまった。唯はその声に反応して詠の方を見た。
唯 「詠、これが君の言っていた、当てって奴なんだな。」
唯はそこにマミも見つける。
唯 「詠の隣の人さあ、あんたはこの前俺達を助けてくれた人なんだろ。礼を言うぜ、あんがとな。」
マミ 「いえ、どういたしまして…」
さすがのマミも唯のキャラクターにはどうしていいのか判断が付きかねた。翠と陽子に至っては軽く怯えてる始末だった。
唯 「じゃあさ、キュゥべえ。俺もなるよ、その魔法戦士って奴に。」
のこのことキュゥべえが現れた。五人はキュゥべえを恨めしそうに睨み付ける。
キュゥべえ「魔法戦士じゃなくって魔法少女だよ。それで君の叶えたい願いは何なんだい?」
唯 「そうだなぁ、大金持ちになるとか不老不死とか、そんな願いはどうなんだ?」
キュゥべえ「まあ、僕は構わないけどね。そういった願いを持つ子はそもそも魔法少女になる資質が無いようでね、今までにその類の願いを叶えた事は無いんだよ。それとも君がその手の願いの第一号になってみるかい?」
唯 「なんだかそれってカッコ悪いよなぁ。俺、カッコ悪いの好きくねぇんだよな。」
ほむらは唯の言動に嫌悪感を抱いていた。相手の為ではなく、ただ仲間として受け入れたくないという理由で、ほむらが人を諫めるのはこれが初めてだった。
ほむら「言っておくけど、カッコの良し悪しなんて気にしているのなら、魔法少女になんてならない方がいいわよ。」
唯 「あん?」
唯はほむらの方を睨んだ、ほむらも唯を睨んでいた。唯は暫くほむらと睨み合った後、視線を外して軽く横に首を振った。
唯 「ところでさあ、詠はやっぱ、あの事件の解決を願ったのかよ。」
詠 「ええ、私は今の自分を取り巻く全ての厄介事を、無くして欲しいと願ったのだけれども…」
詠は歯切れが悪かった。当てが外れたような、落胆が混じったような物言いだった。
唯 「あのおっさん、生き返ったのか?」
詠 「いいえ。死者を蘇らせる事は無理なの。だから自然死とか事故死って事になって、みんなの記憶もメディアの記録も書き換わったみたいなの。」
詠の突然の物騒な話に、マミを除く他の三人の魔法少女達は驚いて詠の方を見やった。
唯 「じゃあさ、あのおっさんの家族って生活とかどうなってんだ?」
詠 「それは…知らないけど…」
キュゥべえ「まあ保険は下りたようだけど、一家の大黒柱を失ったんだからね。子供もいるし、あんまり経済状態は良くないんじゃないのかな。」
唯 「そうか、親父がろくでなしでも子供には責任ねーよな。よし、決めた。あの死んじまったおっさんの家族の生活を良くしてくれよ。それが俺の願いだ、駄目か?」
キュゥべえ「…僕は構わないけど、本当にそ
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