第一部
第二章
第十三話『それくらいの責任』
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きを維持させるんです。そして、濁りを吸い切ってもうこれ以上吸えなくなったグリーフシードはキュゥべえが回収します。」
マミ 「なるほど、この世界のカースキューブに当たるのが、そのグリーフシードって物なのね。」
まどか「でもグリーフシードによる回復がままならなくなってソウルジェムがその輝きを全て失うと、ソウルジェムはグリーフシードとなりその魔法少女も魔女になってしまいます。」
マミ 「それって…」
まどか「はい、魔法少女は魔女の素、魔法少女のなれの果てが魔女なんです。だから前の世界の魔法少女は自分達の先輩と戦っていたんです。魔女は呪いの塊となり人々に害をなします。でもその呪いは人を救いたいと願った祈りの代償なんです。」
マミ 「…」
マミは沈黙し、自分の湯呑を見詰めた。そして暫く考え込んだ後、お茶を一気に飲み干して言った。
マミ 「ねえ、鹿目さん。あなたのソウルジェム、また見せて頂けないかしら?」
まどか「えっ、あっはい。構いませんよ。」
まどかは服のポケットからソウルジェムを取り出すとマミに渡した。
マミ 「透かして見てもいいかしら?」
まどか「ええ、どうぞ。」
マミはポケットから先ほど入れたボルトをそっと手に忍ばせると立ち上がり、背後にある窓の方を向いた。太陽光にソウルジェムをかざし、キラキラと輝くその中身を確かめた。
まどか「私の本体ってそのソウルジェムの方なんです。だから私、ソウルジェムが遠くに離れるとただの死体に戻って動けなくなっちゃうんです。勿論ソウルジェムが壊れれば完全に死んでしまいます。」
マミ 「そう…」
マミはソウルジェムを眼前で見るふりをして両手で包むと、ボルトと一緒に強く握り締めた。手の中でボルトをジェムに擦り付けるように何度も強く握った。
まどか「…マミさん?」
マミ 「あっ、ごめんなさいね。とっても綺麗なものだから、つい見入ってしまったわ。」
マミはソウルジェムを丁寧にまどかの手に持たせながら言った。
マミ 「こんな大切な物を、もう他人に渡しては駄目よ。」
まどか「…」
マミ 「ああそうだ。私、進路面談用の書類を書かなければいけなかったんだわ、すっかり忘れる所だった。じゃあ私これでおいとまするわね。」
やや大仰にそう言うと、マミはそそくさと玄関へ行き靴を履き出した。それを追うようにまどかも玄関に見送りに来る。
まどか「マミさん、今日はラックを持って来て下さってありがとうございました。」
マミ 「いいえ、どういたしまして。では、またね。」
まどか「はい、またお会い出来る事を楽しみにしています。」
どこか取り繕ったような笑顔を残して、マミは去って行った。玄関の戸が閉まると、まどかは呟いた。
まどか「やっぱりマミさんは責任感があるよね、この世界を守る為になら何でもするんだも
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