第一部
第二章
第十二話『温かくって柔らかくって優しくって』
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恵 「あれ誰かしら、転校生か何かかな?」
詩織 「あの赤いラインのセーラー服って、確か静沼中の制服じゃないのかなぁ。」
幸恵 「静沼って、あの近くにある公立の?坂本先輩にでも告りに来たのかしら。」
詩織 「あっ、そう言えば幸恵知ってる?坂本先輩って二年の暁美先輩に告って振られたらしいよ。」
幸恵 「えっ?!二年の暁美先輩って学年トップのあの人?」
詩織 「うん、あの時のあの人だよ。」
幸恵 「ふーん、あの人が…」
二人が校門の中に入って行った後、マミが翠と陽子と談笑しながら歩いて来た。それを見つけた詠はマミの許に近寄って行った。
詠 「あの、すみません。私、思い出しました、あの時の事を…」
マミ 「そう、覚えていたのね。」
詠 「朝の立て込んでいる時に申し訳ありませんけど、二人でお話し出来ないでしょうか?」
詠の思い詰めた顔を見て、マミは彼女が本気であると確信した。
マミ 「ええ、いいわよ。翠、陽子、ちょっと行って来るわね。」
そしてマミと詠は、登校して来る他の生徒達の中に消えて行った。
?
静沼中の詠のクラスで担任教師が出席を取り終えた頃、詠が教室の中に入って来た。
詠 「すみません、遅れました。」
先生 「ん?春哥か…そうか…まあいいだろう席に着け。」
そして授業が終わると、今日は唯の方が詠を教室から引っ張り出して、人気の無い場所へと駆け込んだ。
唯 「昨日の事なんだけど…」
唯には明らかな焦りが見て取れた。詠は少し愉快だった。
詠 「ええ、その事なんだけど…」
詠はわざと勿体を付けて言った。
詠 「この問題の解決に当てがあるの。だから私に全て任せて貰えないかしら?」
唯 「当てって、どういう事だよ。」
詠 「安心して唯、悪いようにはしないから。だからあなたは何もしないで私を信じて。」
?
ほむらは学校から帰ると、まどかを外に連れ出した。
まどか「どこに行くの?ほむらちゃん。」
ほむら「いいから一緒に来て。」
戸惑うまどかをよそに、ほむらはなんだか嬉しそうにまどかを誘導する。そして一軒の家の前まで来た。その家の表札には鹿目と印されていた。
まどか「ここって…」
ほむら「そうよ、まどか。あなたの…あなたの家族の家よ。」
まどか「でも、私はもう…」
ほむら「まどかのお母さん詢子さんとはね、偶然会ってちょっと知り合いになったの。さあ、行きましょう。」
そう言ってほむらは一人敷地の中に入り込み、玄関のチャイムを鳴らした。玄関の戸が開き中から詢子が顔を出した。
詢子 「あら、ほむらちゃん。来てくれたのね、いらっしゃい。」
ほむら「はい、おば様。実は今日、お友達を連れて来たんです。まどか〜。」
ほむらはまどかの名を呼んで、
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