第一部
第二章
第十一話『御馳走様でした』
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私は何もしてません、放して!」
詠は何とかして男の手から引き離れようともがいたが、大の男の力にはどうする事も出来なかった。しかしその時、詠は男の後ろに誰かいる事に気付いた。
ゴッ
次の瞬間、鈍い音と共に中年の男は倒れた。そしてその男の後ろに、コンクリートブロックを持った唯が立っていた。
詠 「唯!あなた何をしたの?」
唯 「君を助けたに決まってるだろ。」
詠 「助けたって…」
男は白目をむいて仰向けに倒れていた。頭の辺りから血溜まりが広がる。
唯 「ここにいたらマズイ。とにかく離れよう。」
唯はコンクリートブロックを投げ捨て、詠の手を取って走り出した。
詠 「ちょっ…」
詠は逃げるのはどうかと思った。自分は完全に被害者の筈だったが、こうなってしまうとそうも思えなくなる。
詠 「唯、救急車を呼んだ方がいいんじゃないの?」
唯 「そんな必要は無いさ。」
詠 「死んでしまったら、死んでいたらどうするの。殺人よ!」
唯 「向こうが悪いんだ。正当防衛だよ、問題無い。」
やみくもに全力疾走する二人。詠はもう何が何だか分からなくなっていた。
詠 「とにかく待って!」
詠は唯の手を払って立ち止った。
唯 「何だよ、詠!」
唯も振り返って足を止めた。荒い息を整えながらお互いを見合う。その時二人は気付いた、自分達が異様な場所にいる事に。
詠 「ここ、どこ?」
唯 「俺が知る訳ないだろ…」
そこは白い砂地のような地面に白い石の塔のようなものが林立した異世界、魔獣空間の中だった。やがて魔獣が現れ二人に向かって来た。
唯 「何だよあれ、一体何なんだよ…」
呆然と立ち尽くす二人に魔獣の腕が振り上げられた。しかしその腕が振り下ろされるすんでに魔獣の顔面で爆発が起こり、魔獣はのけぞって倒れた。
マミ 「危ない所だったわね、でももう大丈夫よ。」
いつの間にか二人の前に、一人の少女が立っていた。少女は独り言を言う。
マミ 「変ね、この程度の魔獣が単独で現れるなんて…」
詠 「あっあの、あなたはどなた。そしてここはどこなのかしら?」
マミ 「私は魔法少女よ。そしてここは魔獣空間の中、今倒れた巨人が魔獣。」
詠 「はあ…」
呆気にとられる二人を結界から出し、変身を解くと、見滝原中の制服を着たマミは去り際に二人に言った。
マミ 「もし今あった事を覚えていられたのなら、またお会いする事になるかもしれないでしょうね。」
?
日曜日になった。マミは行き付けのショッピングモールへ他の四人を先導した。
マミ 「まず必要な物から取り揃えましょ。下着なんてどお?」
まどか「はい、そうして頂くと助かります。」
エレベーターに乗ると幸運にも五人で貸切状態になった
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