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SECOND
第一部
第二章
第十話『気を付けておいて』
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陽子 「あのね、私のお父さんの仕事が上手くいってないって話した事覚えてる?」
翠  「うん、覚えてるよ。」
陽子 「それでね、本当は今日夜逃げか何かする予定らしかったの。でも最後のお別れしに学校に行ってもいいよってお母さんに言われてね、一旦は学校に行ったんだ。」
翠  「あっごめん陽子、そんな大事な話だったんだね。私あの時、廃工場の魔獣戦の事で頭が一杯だったの。本当にごめんね。」
陽子 「うんうん、もういいのその事は。それよりもね話しておきたいのはね、私ちょっと前からある不思議な男の子と会ってたの。あの後、結局学校には行かずにある公園に行ったらその子がいたの。それでその子と話をした後家に帰ったらね、お父さんとお母さんがね、部屋で首を吊って死んでたの。」
翠  「ええ!」
 翠は驚いて布団から身を乗り出した。
翠  「そっそんな、陽子大変じゃないの。そうだ警察、警察とかに連絡したの?」
陽子 「その事はいいの、翠ちゃん。」
翠  「いい訳ないよ、大変だよ!」
陽子 「いいの!私ね、朝お母さんにお別れして来ていいって言われた時、そんな気がしてたの!でもお父さんもお母さんも結局私を置いていったの。だからもういいの!」
 そう叫ぶと陽子は布団に潜り込んで大泣きした。翠はどうして良いのか分からなくて、取り敢えず震える布団を上から大きく抱きかかえた。そして何とか陽子を慰めようとした。
翠  「違うよ陽子、違う。陽子のお父さんとお母さんは陽子を殺せなかったの。死なせたくなかったの。生きていて欲しかったんだよ。だから置いて行ったんじゃないよ、残して置きたかったんだよ、きっと。」
 陽子は暫く泣くと落ち着きを取り戻し、布団から顔を出した。そしてべそを掻きながらも本題に移った。
陽子 「それでね、本当に話しておきたいのはね、その不思議な男の子の事なの。その子はね響亮って名乗ったの。実はね翠ちゃん、私ちょっと前から翠ちゃんが魔法少女になった事知ってたの。その亮って子が私に教えてくれたの。魔法少女の事とかその契約の事とか、全部亮が私に教えてくれたの。そしてあの私の契約のお願いも、亮が私に言った事なの。」
翠  「あのまどかさんって人を転送してってやつ?」
陽子 「うん、そうだよ。あのねそれでね、前の宇宙を殺して今の宇宙にしたのがまどかさんで、それで前の前の宇宙を殺して前の宇宙にしたのが亮なんだって。分かる?」
翠  「えーと、何となく…」
陽子 「翠ちゃん、それでね…」
 陽子は身を乗り出し、翠の手を掴んで目を合わせて言った。
陽子 「まどかさんと亮には、気を付けておいてね。」

  ?

 朝になり翠が学校に行く支度を始めた。
翠  「陽子は学校どうするの?」
陽子 「うん、暫くは無理だと思う。それにたぶん、見滝原には
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