第一部
第一章
第九話『「おかえり」と「ただいま」』
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転しながら体を傾けて翠をはたきに来た。次の瞬間、激しい衝撃と共に宙に舞い上げられた翠は、梨華に抱きかかえられていた。そのまま二人は闇の中に遠く飛ばされて行った。
翠 「り、梨華さん!」
梨華 「へへ、少しは…杏子さんに…近付けた…かな…」
そして梨華は動かなくなった。
翠 「梨華さん!梨華さん!」
翠は梨華の体を揺さぶった。しかし梨華はもう何の反応も示さなかった。翠は涙を滴らせながら、ゆらりと立ち上がった。
翠 「ウワー!」
翠はまるで魔獣を呼ぶかのように声を上げた。そしてそれに呼応するかのごとく廃工場の魔獣は翠を追って来た。翠はそれに向かって大きく矢を番えた。
翠 「メギドォ!」
強力なメギドの一撃は魔獣の突進を止め大きくよろめかした。
翠 「メギド!メギド!メギド!」
翠は尚もメギドを放ち続けた。
マミ 「ダメよ、翠。そんな無茶をしては!」
メギドを連発する翠を、マミが抱き締めて止める。
マミ 「それではあなたが消えてしまう!」
しかしながら、メギドの連射を受けた廃工場の魔獣は大きくよろめき、遂には地面に倒れ込んだ。
真理 「来た!」
そしてその千載一遇のチャンスを、真理は逃さなかった。
真理 「デスサイスギガンテス!」
真理の持つ大鎌が巨大な光の薄刃となって廃工場の魔獣に切り掛かった。魔獣は真剣白刃取りをするかのようにその刃を受け止めようとした。
真理 「無駄だよ。」
真理の刃は廃工場の魔獣の最後の抗いをものともせず、魔獣を真っ二つに切り裂いた。
ウォォウゥン!
廃工場の魔獣はどこか物悲しげな咆哮と共に崩れ落ち、果てた。
ほむら「やっ、やったわ。」
ほむらは感動した。ワルプルギスの夜がまどか以外の魔法少女に倒されるのを見たのはこれが初めてだったからだ。ほむらはトドメを刺した真理を称えるべく、真理の許へと駆け寄った。
ほむら「さすがだわ、真理。」
本来ならその言葉に満足したであろう真理だったが、今の彼女にはもっと重大な事件が発生していた。
真理 「おい!キュゥべえ!これは一体全体どういう事かね!」
戦いの趨勢が決まり近くまで来ていたキュゥべえは、真理の呼び掛けに応じてすぐに近付いて来た。
キュゥべえ「何だい真理、どうかしたのかい?」
真理 「どうかしたのかいじゃないだろ!私は今、円環の理に導かれて消えようとしているではないかね!」
キュゥべえ「それがどうかしたのかい?君は魔力を一気に使い果たしてしまったんだからそうなるんだよ。」
真理 「そうなるんだよじゃないだろ!キュゥべえ!私はまだこの世界の隠された摂理や宇宙の深淵に潜む真実なんて知っちゃいないんだぞ。これでは契約不履行じゃないのかね。」
キュゥべえ「おやおや分からないのかい?まあ、仕方ない
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