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SECOND
第一部
第一章
第八話『あなたの願いって何』
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陽子 「ただいまぁ。お父さんお母さん、あのね…」
 陽子は台所の戸を開けた。しかしそこには両親の姿は無かった。取り敢えず買って来たお弁当をテーブルの上に置いた時、視野の中に異変を感じた。台所と続きになった隣の部屋に、人が二人宙吊りになっていたからだ。反射的に陽子の目から涙が零れた。しかし陽子はほぼ有り得ない希望を求めて、背中を向けている宙吊りの二体の前に回り込んでみた。そこには予想を全く裏切らない残酷な事実が当然のごとくあった。陽子の目から更なる涙が溢れ出た。陽子はその必要が無いにもかかわらず、声を押し殺してむせび泣いた。そして一通り泣き沈むと、意を決したように涙を拭い、家を飛び出した。

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