第一部
第一章
第八話『あなたの願いって何』
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取りは陽子の両親にとって、親としての最後の矜持ではあった。
陽子 「じゃあ私、二階に行ってるから。」
そう言って陽子は、二人が食事に手を付け易いようにその場を離れる事にした。陽子は部屋に入るふりをして、そっと階段の所まで戻り、二人の様子を窺った。
父 「ああ、久しぶりに温かい飯だ。美味いなあ。」
母 「そうね、人間の食べ物って感じがするわねぇ。」
二人が喜んで食べている事に、陽子はホッとした。
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マミ、ほむら、梨華、真理、翠の五人は魔獣狩りに出た。翠にとっての初陣という訳ではなかったが、それでも初お披露目のような戦闘ではあった。翠は動きも良く、弓の威力も高かった。その日最後の一番の大物を、翠がメギドの一撃で粉砕して見せると、そのさながら翠ショーのような狩りは終了となった。
マミ 「凄い、凄いわ翠!」
マミは翠を褒め称えると、ぐっと抱き締めて歓迎した。梨華も手を叩きながら近付き、翠を称えた。ほむらも珍しく柔和な顔をして見ていたが、真理は険しげな表情をしていた。
キュゥべえ「いやー、大したものだよ、翠。杏子を失ってどうかと思っていたけど、君という新戦力を得た今、まさに廃工場の魔獣を倒す好機だと僕は思うんだ。他のみんなはどう思うかな?」
マミ 「そうね、杏子の敵も早く討ちたいしね。」
マミはそう言って梨華を見やった。
梨華 「ええ、私も是非そうしたいです。」
キュゥべえ「そっちの二人はどうだい?」
ほむら「私は別に…いつでも構わないわ。」
真理 「キュゥべえ、翠にもあいつを倒せるのかね?」
その言い方には険があった。真理はなんだかイラついているように見えた。
キュゥべえ「うーん、出来るとは思うけど。武器の持つ特性を考えると、あの魔獣を倒す一番の適任者は真理、やっぱり君だよ。」
その言葉は真理の留飲を下げた。急に口元を緩めた真理は腕を組んで言った。
真理 「まあそうだろうねえ、フフ〜ン。私も構わないとも。」
結界から出て各自が帰って行く中、キュゥべえはマミを引き留めて言う。
キュゥべえ「なあ、マミ。翠の事なんだけど、ちょっといいかな?」
マミ 「ええ構わないわ。何かしら。」
キュゥべえ「前にも言ったけど、彼女が魔法少女になったからには、何か大きな役目が控えている筈なんだ。だから彼女を失わないように気を付けておいてくれないだろうか。勿論無理にとは言えないんだけど。」
マミ 「ええ、了解したわ。もっとも私で出来る範疇の事しかしないけど、それでいいかしら。」
キュゥべえ「いやー、助かるよマミ。やっぱり君は頼りになるなぁ。」
?
その日の朝、陽子の母親は陽子に言った。
母 「ごめんね陽子、もう私達はこの町にいられないの。だからもう学校に行かなくてもいいんだけど
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