第一部
第一章
第六話『廃工場の魔獣』
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の最大級の禁忌でした。程なくしてキュゥべえから杏子さんへ審問召喚命令が来ました。でも杏子さんは孤児院を守る為にそれにすぐ応じなかったんです。そしたら翻意有りと判断されて討伐隊が派遣されて来ました。でも杏子さんは強くって、最初に来た二人組を撃退しちゃったんです。あ、殺してませんよ。やっつけて追い返しただけですからね。しかし何回かそうやっていたらある日、巴さんが派遣されて来たんです。巴さんは…とっても強くって…杏子さんをいきなりリボンで拘束してしまったんです。そして身動き出来ない杏子さんに銃を突き付けて、処断しようとしたんです。」
翠はマミの意外な一面に驚いてマミの方を見やった。マミは遠い目をして佇んでいた。そこで杏子が口を挿んだ。
杏子 「私が悪ぃんだよ、私が。素直に降参して言うこと聞いてりゃよかったんだけどよ、つまらねぇ意地張っちまってな。」
梨華 「私、それを隠れて見てたんです。そしたらいつの間にかキュゥべえがいて、私に言ったんです。もし君が願うのならこの状況を覆せるよって。」
杏子 「まったくつまんねえ願いさせちまったぜ。どうせなら大金持ちにでもなっときゃいろんな問題が解結出来たってのによ。」
杏子は首の後ろに両手を組んで、つまらなそうに反対を向いた。真理は興味深げに聞き入っていた。
真理 「なるほど、そう言う事かね。いや実に示唆に富んだ話だったよ。」
マミ 「それで、キュゥべえ。わざわざ名波さんを呼びつけたのは、昔話をする為じゃないでしょ。早く本題に入りましょう。」
キュゥべえ「うん。では、みんないいかな。実はこの寂れた工業団地のある建屋の奥に、廃工場の魔獣と呼んでいるちょっと変わった、そしてとても強力な魔獣がいるんだ。」
ほむら「変わった魔獣?」
キュゥべえ「うん。そいつは他の奴と違ってその場所から動かずにずっとそこで結界を張って潜んでいるんだ。見た目も他の奴と違ってる。まあもっとも、魔獣の形状なんて本来定まっている訳じゃないんだけどね。しかもそいつの結界は普通のそれとは違っていて、境目がはっきりしないんだ。そしてそいつはいつも単独でいる。どうだい、変わった奴だろう。」
真理 「なるほど、それで君は私のような有能な魔法少女のリクルートに勤しんでいたという訳かね。」
キュウべえ「まあ、そういうことだね…」
キュゥべえは真理に同意して見せた。消耗品の魔法少女の補充なんて通常業務だよ≠ネんて言える訳もない。
キュゥべえ「真理、廃工場の魔獣戦でキーマンとなるのは君だと僕は考えているんだ。宜しく頼むよ。」
その言葉は真理の琴線を鳴らした。彼女は前髪を掻き上げながら言った。
真理 「フッ、まあ仕方がないな。特別な者には特別な義務があるものだからね。」
?
一行は廃工場の魔獣が潜むという建物の前にやっ
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