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SECOND
第一部
第一章
第五話『特別な魔法少女』
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子にやらしてあげて。」
 真理には特に不満も無く、それに従った。
マミ 「麗子、出来そう?」
麗子 「ええ、やるわ。」
 麗子は彼女の武器であるモーニングスターを振り回し、その小さな魔獣に向かって行った。小さな魔獣相手に何度も渾身の力を使って鉄球を叩き付け、何とかそれを倒す事に成功した。
杏子 「おい嘘だろ…いくらなんでもあれじゃ…」
 杏子が呟くと、それを聞いた真理が返した。
真理 「まあそう言ってくれるな。彼女は良家の御嬢様だったんだよ。何もかも持っていたのに、その全てを捨てて我々の仲間になったんだ。健気な事ではなかろうかね。」
 肩で大きく息をしている麗子に、マミが手を叩きながら近付いて労いの言葉を掛けた。
マミ 「よくやったわ、麗子。初撃破、おめでとう。」
麗子 「ありがとう、マミ…」
 麗子はマミに笑顔を作って応えたが、その心中は穏やかではなかった。彼女が欲しかったのは、何でも自分の力でやっていく事だった。他人の御膳立てや、敷かれたレールの上を通るのが嫌で魔法少女となって家を飛び出して来たのに、これでは今までと変わらないではないか。
マミ 「ねえ麗子、今夜も私の部屋にお泊りしていかない?まだあのお部屋じゃ、何かと不便でしょ。」
 マミには感謝している。初めての友達であり、この上もなく親切で、はっきり言って大好きだ。でも…
麗子 「お誘いありがとう…でも私、早く自立したいから…」
マミ 「そう…立派だわ。じゃあ頑張ってみてね。でも困った事があったらいつでも相談して来てね。」
麗子 「ええ、ありがとう…」

  ?

 次の日、麗子は意識的にマミの事を避けた。それでもマミと遭遇して部屋の事を尋ねられると、業者に頼む事にしたと言ってはぐらかした。たった一晩一人で過ごしただけだったが、麗子はマミへの依存を断ち切る自信が付いた。あるいはマミと友達でありたいからこそ、早く追い付きたい伍していたいという願望が強かったのかもしれない。放課後、麗子はキュゥべえを捕まえて頼み事をした。
麗子 「キュゥべえさん、私早く皆さんに追い付きたいの。だから今から一人で狩りに行って、魔獣と戦う練習がしたいの。それであの異空間に行きたいのだけれど、お願い出来ますかしら?」
キュゥべえ「うーん、練習ねえ…」
 魔法少女は普通戦いの練習なんてしないものだ。彼女達は魔法少女になった瞬間から本能的に自分がどう戦えばよいのか、どの位の力を自分が持っているのか、分かるものなのだ。第一、魔獣結界を単独で越えられない魔法少女なんてキュゥべえをして前代未聞の事だった。まあ新人なのでやり方が分からない可能性もあるのだが…
キュゥべえ「そうだね、この時間なら大した魔獣も出て来ないだろうし、君がやりたいのなら僕は構わないよ。」
麗子 「ありがとう、是非
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