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SECOND
第一部
第一章
第五話『特別な魔法少女』
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ほど、君は結構杜撰な仕事をするようだね。まあ予め知っておけて良かったよ、参考にしておくとしよう。」
キュゥべえ「それはちょっと心外だなぁ。今日は全くの予定外だった上に半日で用意したものなんだよ。そりゃあもっと強引な手法を使えばそれなりのものは用意出来たけど、僕としては人類に対する誠意としてそういうやり方は控えているんだ。」
 ほむらとマミは、キュゥべえの人類に対する誠意として控えている強引な手法がどんなものなのか、とても気になったが聞くのは止めておく事にした。当の家主である麗子はただ部屋の真ん中で立ち尽くしていた。それを見かねたマミが言った。
マミ 「ねえ皆さん、取り敢えず私の部屋でお茶にしません?」
 異論は出なかった。

  ?

 お茶の席で決まった事は、今夜は狩りには行かない事と、麗子がマミの部屋で泊まっていく事だった。ほむらと真理が帰った後、いつの間にかキュゥべえも姿を消していた。
麗子 「御免なさい、巴さん。ご迷惑をお掛けして…」
マミ 「日富さん、迷惑だなんて。それに悪いのはキュゥべえなんだから。」
麗子 「この埋め合わせは、いつか必ずさせて頂きますので…」
 マミは首を横に振りながら麗子の両手を持ち、目を合わせてから言った。
マミ 「何を言っているの。私達はもうお友達なのだから、そんな事は気にしなくてもいいのよ。」
麗子 「お友達…ですか…」
マミ 「そうよ、お友達よ。だから私の事はマミって下の名前で呼んでね。」
麗子 「ありがとう、マミ…さん…」
マミ 「さんは要らないのよ、麗子。」
 麗子の目に涙が溢れた。麗子はそれを抑えるように腕を押し当てて、涙声でか細く返した。
麗子 「はい…マミ…」

  ?

 就寝の時となり、マミは自分のベッドに麗子を寝かせた。布団を掛けるマミの手を、突然に麗子は握り締めて来た。
麗子 「マミ!」
マミ 「なあに?」
麗子 「私…あの…お友達が出来たの初めてなの。その…これからもずっとお友達でいて下さるかしら?」
 マミは手を持ち替えて麗子の手をギュッと握り返すと、枕元で膝をついて目線を合わせて答えた。
マミ 「ええ、勿論。私達はこれからもずっとお友達よ。」
 麗子の表情がパッと明るくなった。マミは麗子の手を布団の中に入れると、それを整えながら言った。
マミ 「とにかく、何もかもが明日から本当に始まるの。だからそれに備えて、取り敢えず今は眠りましょう。」
麗子 「ええ、そうね。本当のスタートは明日からよね…」
 麗子を寝かし付けた後、マミはソファーで横になった。暫くしてからマミは麗子の様子を見に行った。麗子は枕が変わった事は気にならなかったようで、すやすやと寝息を立てて眠っていた。マミはその寝顔を優しいというか愛惜しいというか、あるいは労わ
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